「まささん、ねねさんの料理を食べる」の巻
(少しばかりの雑談ののち、まささんはねねさんの料理に手をつけます)
「ほー、韓国にはこんな料理もあるんですか」
「韓国料理じゃなくってオリジナルです。わたし、料理上手ですけどテキトーですよ」
「(心の声:『料理上手』って自分で言うか?)なるほど。それではさっそく」
「あ、待てください」
「?」
「これは、こうして食べてください」
そう言ってねねさんは、煮込んだお肉や野菜なんかを、いそいそとサンチュにくるみだします。
「はい、ドーゾ!」
「(心の声:このあたりはまさに韓国だなァ)では、いただきます……おッ、この組み合わせ、結構いけますね。焼き肉だけかと思ってましたが」
「生の野菜と一緒に食べると身体にもいいですよ! もともと食べてください(いそいそ)」
「ああ、それ(←葉っぱでまきまき)、自分でやりますから」
「何を言っているんですか、まささん。わたしがごちそうしてるんですから、まささんは文句を言てはいけません。はい、ドーゾ!」
「さようですか……では(もぐもぐ)」
「こち(←炒め物)も食べてください。はい、あーん」
「いただきます。これもなかなかいけますね!」
「だからわたし言いました! わたし、料理上手です! おゥ、そうだ! まささん。これも食べてみてください!」
「生にんにくですか。こりゃまたえらくでっかいですな」
「これをですね、ミソに付けて食べるとオイシーんですよ。スタミナつきますよ~」
言いつつねねさんは、にんにくの粒をかりっと半分かじります。
そして、残った半分に味噌を付けて、まささんの口元に差し出しました。
「はい、ドーゾ! 夜は長いですよ! これ臭いしない特別なにんにくです! これ食べて、がんばれる体力付けましょう!」
その言葉の裏に潜む真意を察し、少しだけ寒気を覚えるまささんなのでありました。