「ねねさん、手料理を持ってくる」の巻
(いつもの場所でねねさんを拾ったまささんですが、今回は食事の場には行かず、そのまま宿泊施設に直行します。本当ならいろんな場所にねねさんを連れて行ってあげたかったまささんですが、ねねさんがそういうのを「めんどくさい」と一蹴したのでした)
「おー、まささん。ふたりきりで食事するのは初めてですね」
「そう言えばそうですねェ」
「ちょと早いですけど、ご飯食べますか? お風呂入てえちしますか? わたしは、まささんがいいほうでいいですよ」
「(心の声:なんだかえらく即物的なデートになっちまったなァ……とほほ)」
「どーしました、まささん?」
「いえ、なんでもないです。ご飯食べましょか」
「わかりました!」
そう言ってねねさんは持ってきた複数のタッパを展開します。
メインとなったのは、肉と野菜をたっぷり煮込んだスープのような料理と、やはり肉と野菜を用いた炒め物。
あと、たぶんサンチュと思われる生の野菜と粒の大きな生ニンニク。
おにぎりみたいに握った白いご飯も見えたりします。
「キムチがないですね」
「まささん、キムチ好きですか?」
「まあ好きな方ですけど、それよりも韓国料理にキムチがないというのもイメージ的に違和感があるというかなんというか」
「わたし、キムチ食べないですよ!」
「なんと!」
「韓国人、すぐにキムチキムチて言いますけど、最近の若いひとはキムチ食べないひとも多いです」
「へェ」
「もちろん辛い味は好きですけど、わたし、韓国風の唐辛子の味より、中華風のスパイスの味のほうが好きです。だから最近、外食で中華料理ばかり食べてますよ。豚の背骨スパイスで煮込んだ料理がお気に入りです! 今度一緒に食べに行きましょうね」