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「まささん、ねねさんに突っ込まれる」の巻

(まささん相手に手料理をごちそうしようかと申し出たねねさんは、しかしそのための条件を突き付けます)


「まささん。とりあえず次のでぇとでいかがでしょ?」


「こっちは全然かまいませんけど……場所はどうするんです? ねねさんち?」


「わたしの部屋はルームメイトがいるのでダメです! まささんの家に行く勇気もないので、宿泊施設にしましょう!」


「え!?」


「宿泊施設にお泊まりして、一緒にご飯食べましょう!」


「(心の声:なんか話が変な方向に行ってるなぁ……)ま、ボクはそれでもかまいませんが」


「ではそれに決めましょ。でも、わたしの手料理をごちそうするのには条件があります」


「条件?」


「はい。わたし、自分が好きになたひと、自分のこと好きになてくれたひとにしか手料理ごちそうしたくないです」


「ごもっとも。それで?」


「わたし、まささんから『好きだ』とか『愛してる』とか言われたことないです」


「!!!」


「わたしのご飯食べたいのなら、『好き』とか『愛してる』とか、しかりとわたしに言てください! じゃないと、このお話はなしです!」


「(心の声:むむ……エッチしてる最中には何度も言ってるはずなんだが、ああいったのは、さすがにノーカウントなんだろうな)」


「もしまささんがその気になたのなら、わたしいまからそちらに電話しますので、ちゃんとわたしに『愛してる』と言てください。わかりましたか?」


「わかりました(心の声:えらいことになったよ、オイ!)」


やがて電話の呼び出し音が鳴り響きます。


「もしもし」


「まささーん、ねねですゥ。まささんの気持ち聞きに来たよー」


「(心の声:はぁ……ここで言わないとへそ曲げそうだよなァ。しかたない。言うか)じゃ……『大好きですよ、ねねさん』」


「う~ん、満足しました! 当日はご飯食べたあとで、まささんのこともいぱい気持ちよくしてあげるね~」


「はは……お手柔らかに……」


「これでまささんは、わたしの『愛の奴隷』ですね!」


「は? いまなんと?」


「これでまささんは、わたしの『愛の奴隷』ですね、と言いました! わたし、何か変なこと言てますか?」


「……いや、失礼ですけど、ねねさん。あなた、『愛の奴隷』ってどんな意味の日本語かご存じですか?」


「とーぜんです。『恋人同士』という意味ですよね! わたし、日本語勉強しました! 莫迦にしないでください!」


「……」


日本という国が間違った方向に学ばれているのだという実例を深く深くかみしめた、この時のまささんなのでありました。

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