「まささん、約束を破る」の巻
(タクシーに乗るねねさんを見送ってから、まささんは友人たちのいる駅前のラーメン屋へと向かうのでした)
「おや、まささんさん。あのコリアンガールはいかがなされたのかな?」
「あぁ。ねねさんなら、ひとりで帰るからってタクシー乗って行っちゃいました」
「あらら、連れないですね~ どうせなら、一緒に連れて来ればよかったのに」
「まあ、あっちにはあっちの都合もあるんで。ところで、これ彼女からの差し入れです。ウ○ンの力」
「おぉ~ッ!」
ねねさんには自分からの差し入れだとは言わないでくれと言われてたのに、まささんはあっさりその約束を破りました。
ねねさんの気持ちをないがしろにしたわけではなく、みんなに「自分の連れ合いはこんな女性なんだよ」と知ってもらいたかったからです。
案の定、(女性陣は家族とともに別途帰宅していたゆえ)男ばっかりとなったお友達の面々は、口々に感嘆の声を上げます。
「それはそれは、ゴチソーサン」
「酔っ払いにはなんともありがたい話で(ナムナム)」
「最近じゃ、こんな風に気が利く娘、珍しくなったよね。代わりにお礼言っといてよ」
「へェ、いい娘じゃないっすか! ちょっとアレのイメージあったんだけどなァ。考えなおそっと」
「ねえまささんさん。あの娘、いったいどこで拾ってきたんです? まさかまさかのエンコーですか?」
「まささんさんなんかにはもったいない! じ・つ・に、もったいない!」
「ちなみにもうヤっちゃったの?」
「おまえらな~」
まささんを肴に二次会やる気満々の、そんなお友達連中なのでありました。