「ねねさん、唖然とする」の巻
(賢者モードのゆえか、いきなり難しい話をしだしたまささんに、ねねさんはきょとんとすることしかできませんでした)
「なんか、まささん凄いです。学者さんみたいです」
「物書きですから。物事を難しく考えるのは好きですよ」
「う~ん。まささんと話してると勉強になります。もといろいろ教えてください! でも──」
「でも、なんです?」
「まささん、ひょとして韓国人嫌いですか?」
「なんで? 嫌いだったら、あなたとここには来てませんし、こんな関係にはなってませんよ(心の声:自分で言うのもなんだけど、どう言い繕っても社交辞令だよなァ……)」
「うん。さきのお話聞いてて、なんか韓国に厳しいこと言てるみたいに聞こえたから」
「(心の声:ここで嘘を言っても仕方ないな……)ホンネを言うと、コリアのことは好きじゃないですね」
「やぱり……」
「自分の悪口言ってるひとを好きになるひとはいないでしょ? それと同じことです」
「でも、韓国が日本にいろいろ言てるのは、ちゃんとした理由があるじゃないですか!」
「理由があっても悪口言われていい気がしないってのは、さっきラーメン屋さんでボクが言ってたのと同じ方向性ですよ? それは韓国だって同じことだと思うんだけどな」
「それは、そですけど……」
「まあね、国には国の立場ってものがそれぞれにあるんです。どこかの国の英雄は、別の国から見たら侵略者かもしれない。でもどっちが正しくてどっちが間違ってるってわけじゃなく、どっちもどっちで正しいんです。それを『自分が全部正しい。おまえは全部間違ってる』ってやったら、まとまる話もまとまらなくなる。韓国がやってるのはそういうことなんですよ。だから嫌うひとが増えてきてる」
「まささんもそうなんですか?」
「そうですよ。だけど──」
「だけど?」
「できれば、それを個人の付き合いに反映したくはないですね。仲良いひととは、なるべく仲良くやっていきたいもんです(心の声:……ああ、これって綺麗事だよなァ……俺って奴は……)」
「まささんッ!(がばっと抱きつく)」
「どわァッ!(勢いで押し倒される)」
「わたし、まささんソンケーします! わたし、頭いいひと大好きです!」
「そ、そりゃどうも」
「というわけで、まささん、もう一回えちしましょ! ううん、もう一回じゃなくて、もともとえちしましょ!」
「ど、ど、ど、どーしたんですかいきなりッ!」
「わたし、まささんの子供産みたいです! 頭のいーひとの子供産みたいです! まささん、あと二年間頑張てください。わたし、まささんのお嫁さんなれるよう頑張ります!」
「は、はェ???(心の声:え~っと、前はあと五年とか言ってなかったっけか?)」
「じゃ、まささん、始めますね。まささんの弱いとこ、いぱいいぱい攻めてあげます!」
「(心の声:ひ……干からびるゥゥゥ~)」
だんだんと既成事実が積み重なっていく気がしてならない、そんなまささんなのでありました。