「ねねさん、まささんに語る」の巻
(まささんの肩を枕にしながら、ねねさんはなおも話を続けるのでした)
「まささん? まささんは、ひょとしてえちな女の子は嫌いでしたか?」
「う~ん、相手によるけど嫌いではないよ。そりゃあ、できない相手よりできる相手のほうが絶対にいいさ。ボクだって一応オトコだもん」
「あ~、よかたですゥ。さきのまささん見てて、もしかしたら、わたし嫌われたのかと心配しました」
「?」
「わたしが初めて付き合たひと、とてもえち好きなひとでした。でもその頃のわたし、えちするのが恥ずかしかたので、あまりえちしてあげませんでした。そしたらわたし、あさりフラれてしまいました。だからですね。わたし、頑張って頑張ってえちな女の子になったんです!」
「ほうほう(心の声:なんとまあ、えらく極端な話だこと……)」
「でもですね。付き合たひとに今度はわたしのほうから頑張ってえちしてあげると、なぜかたいていのひとは、えらい王さまになろうとするんですよー」
「王さま?」
「はい。王さまです。わたしとはそのひとは単にえちしただけの関係なのに、そのひとはわたしのこと、自分のオンナ呼ばわりです。『俺のオンナなんだから俺の言うこと聞いてとーぜんだ』なんて言われても、わたしぜんぜん納得できないですよ。で、わたしのほうから別れましょってそのひとに言たら、『なんでそんなこと言うんだッ!』って怒るし。ナニイッテヤガンダ、コノヤロー、って感じです」
「あらら」
「そしてそういうのが嫌になって、今度はそじゃないおとなしそうな男のひと捕まえたら、そのひとは、『おまえみたいに経験豊富なオンナは好きくない!』なんて言いやがります。オトコのひと、わたしにいたいどーしろて言うんでしょうね?」
「(心の声:グハッ!!! み、耳が痛いッ!)」
「だからわたし、日本に来たですよ。日本で、日本人の男のひと好きになって、日本人の旦那さんもらて、日本人の子供産んで、そのままずっと日本で暮らしていきたいです。お祝いの日には、日の丸だって揚げますよ~」
「(心の声:なんとまあ……母国だったら親日法で逮捕されそうな勢いだなw)」
「それでですねェ、お店でまささん見た時、わたし、ぴぴっと来たですよ。ああ、このひとは絶対王さまになれる器じゃないなあ、て」
「(グサァッッッ!!!←言葉の矢が刺さった音)」
「このひとは、絶対ひとの上に立つひとじゃない。だから安心してオケイと思たですよ。ぜんぜんカコヨクもないから、絶対にモテないだろし、浮気したくても相手が絶対にオケイしない男のひとだと思たですよ」
「(グサァッッッ!!!←言葉の矢が刺さった音※二本目)」
「(グサァッッッ!!!←言葉の矢が刺さった音※三本目)」
「(グサァッッッ!!!←言葉の矢が刺さった音※四本目 もうやめてッ! まささんのライフはとっくにゼロよッ!)」
「だからですねェ……わたしが好きになてあげたら、わたしのこと、きと大事にしてくれるんじゃないかなと思たですよ。わたし、旦那さんになるひとには大事にして欲しいです。旦那さん、カコヨクなくてもお金持ちじゃなくてもいいです。わたしのこと大事にしてくれたらそれでいいです」
「(心の声:ねねさん……)」
「ああ、でもえちは毎日して欲しいです! これは絶対条件ですね! もとも、旦那さんがイヤと言ても、毎晩わたしが襲いますけど」
「(ダーッッ!!!←滝涙)」
「まささん」
「はい?」
「わたし、眠くなたので少し寝ますね。寝て起きて、まささんまた元気になてたら、わたしまささん襲うんで、カクゴしててください。じゃ、お休みです(ぐぅ)」
「(心の声:もう勘弁しておくんなましィィィィィィッ!!!)」