「まささん、圧倒される」の巻
(なんとなく正論に聞こえてしまうねねさんの熱弁に、何も言い返すことのできないまささんなのでありました)
「じゃあまささん、決まりですね。お勘定終えて、ささとお店出ましょう!」
「いや待て! 話せばわかる! 話せば!」
「まささん。おーじょーぎわが悪いですね。それでもサムライの子孫ですか? にぽんだんじですか?」
「い、いや、ウチのじーさんは職業軍人だったけど、ウチの家系は百姓ですし」
「ひゃくしょうてなんですか!? そんなものはどーでもいいです! まさか、この後に及んでわたしにハジをかかせる気じゃないでしょーね!? そんなことしたら、ここの支払いは全部まささんに押し付けますからね!」
「そんな殺生な(心の声:でも、そのほうが後々いいかも……)」
「まささん……いまよからぬこと考えましたね!?」
「(心の声:ギクゥッ!!!)」
「いーですか、まささん。ふーふというものは、自然とえちするものです!(←まささんの心の声:いや待て! ボクとあなたとは、まだ夫婦なんて関係じゃないぞッ!) まささんのお父さんとお母さんがえちしたからまささんが産まれてきました。わたしのお父さんとお母さんがえちしたからわたしが産まれてきました。えちするのは、ぜんぜん恥ずかしいことじゃないです! 愛し合ったオトコとオンナなら、えちなんてあたりまえにすることです! たしなみですよ! だたら、ふたり交際始めたら、早めにシておくほうが絶対にいいです! だてですね、実際にえちして『ああ、このひととはもうえちしたくないなァ』てひととは、まささんもケコンしたくはないでしょ? わたしはそうです。そんなひとと、これから何十年も一緒にいたくないですよ。お互い取り返しの付くうちに、はきりさせておいたほうが絶対お互いのためになりますて。だて、もしまささんがわたしと『もうえちしたくないです』てなたら、別れればいいんですから。もとも、わたしがまささんと『このひととはこれからもえちしたいです』てなたら、鎖つけてでも離しませんけどね」
「(絶句)」
「わかりましたか? まささんは頭のいい人ですから、とーぜんわかたはずですよね!? じゃ、決まりです。おにさん! お勘定お願いします!」
以上、なし崩し的に外堀を埋められていくまささんなのでありました。
「(まささんの心の声:お……大坂の陣だ。まさに大坂の陣だ……)」