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dark.dark  作者: 相原ミヤ
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それぞれの旅立ち

 光の戻った世界で、去り行くリークをヒナタは見送った。

「本当は、見送りなんてしないで欲しいんだけどね」

照れたように笑うリークは、美しい金色の鳥に変じた。ボルトに言わせれば、かつて世界が一つだったころリークは世界最初の生き物として強い力を持ち、世界を守り続けていた。しかし、リークは守れなかったのだ。リークも、世界を守れなかった守護者なのだ。世界が滅びる直前、生き物は他の世界へと逃げ、自分達の文化を発展させた。罪滅ぼしなのか、リークは旅を続けている。数え切れないほどの世界を旅し、困窮に陥った世界を救う。時に戦い、時に諭し、時に導き続ける。そういう存在。ヒナタたちにとっては神のような存在であるボルトたちにとっても、リークは畏れ多い存在なのだと。

「もし、寂しくなったら戻って来いよ。俺がいつまで生きているか分からないけれど、その時までには世界を立て直しておくよ。リークが信じてくれたから。もちろん、闇の世界の生き物との共存も図る」

エイジがリークに言った。その言葉は、ヌーンたちとエイジが対等に歩んでいる証拠のいうに思えた。ヒナタはエイジが豊国の重鎮の息子だと思っていたが、王の息子だとは思っていなかった。エイジは豊国の王の末の息子。国の行く末を見ていた。

 光を取り戻したところで、世界には混乱が多い。一刻も早く平和な世界に導くために、この世界で生きるヒナタたちは走り続けなくてはならない。ヌーンが守り続けた植物の種や動物達を少しずつ光の世界へ解放し、土を耕し、水路を作り、植物を植えた。いずれ、世界に緑が戻るだろう。命が芽吹き、笑い声の絶えない世界が生まれるだろう。ヒナタがそこまで生きるのかは分からない。それでも、命の営みは続いていく。ヌーンやボルトが見守る世界は続いていく。

 ヒナタはエイジの隣に立った。弱さを見せるのが苦手で、他の人のために危険な橋を渡って、困難な道を平然と歩き続けるエイジを一人にすることが出来ないから。エイジの横にいることで、きっと彼の役に立つ事が出来るから。

「リーク、気をつけてね。私たちは頑張るからね」

ヒナタはリークに言ったとき、リークは大きく羽ばたいた。

「じゃあ、行って来る。機会があれば、また戻ってくるよ」

青い空にリークは飛び立った。

 ヒナタは空を見上げた。空は高く青い。突き抜けるように青が続き、世界は光輝いている。一つ大きく息を吸った。

「リークはどこにいるんだろうな?」

エイジが笑いを含めて言った。空の果て、見えない場所にリークはいるはずだ。当たり前のように太陽が輝く。太陽の光を見ると、ヒナタはリークを思い出すのだ。


 光の世界。世界は光で覆われている。


今まで読んでいただきありがとうございました。dark.dark完結になります。今更ですが、リークという人は鍵になる人物です。強いのに弱い、何でもできるのに何もできない。そんな人物です。次は、Little Reakというタイトルの話を掲載予定です。異世界でリークに間違えられる、そんな話です。これからもよろしくお願いします(=^・^=)

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