表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
dark.dark  作者: 相原ミヤ
91/96

光の世界(2)

 落下の途中、暗い空を見上げると空に微かな明かりが見えた。黒い雲の間から差し込む、僅かな光。空の色が変っている。ヒナタはその空を見曲げた。

「太陽……」

不思議と、ヒナタの目から涙が溢れた。このまま地に落ちて死ぬだろうヒナタが、太陽の光に感動しているのだ。この光を見ることが出来ただけで、狩人ヒナタが豊国から都まで足を運んだ意味があるということだ。きっと、これで極寒の地豊国にも温もりが差し込むに違いないのだ。

「エイジ、空を見て」

同時にヒナタは腰に手を伸ばし、ベルトに下げた動かないボルトを叩いた。この太陽を、ボルトにも見て欲しかった。

「太陽はこんなにも美しいよ」

「確かに、ヒナタ。太陽はこんなにも美しいね。死ぬ前に、この光を見ることが出来たのなら、俺は満足だよ。きっと、豊国に残っている親父や兄や姉たちも、この光を見る。そして、皆を守ってくれる」

ヒナタとエイジは同じ光を同じ時に見ているのだ。

「エイジは豊国の王の息子なんでしょ。エイジが死んでしまったら、豊国が困るよね」

ヒナタはエイジに言った。ヒナタのこみ上げるエイジへの思いは変わらない。彼が豊国の王の息子であっても、無くても……。

「大丈夫。家業のことは兄や姉が何とかするさ。俺は気ままな末息子。だから自由だ。父が少し、悲しんでくれたら嬉しい。思うのは、それだけさ。自由だからリークと旅が出来て、ヒナタと出会えたから」

ヒナタはエイジと出会えた。もし、エイジがリークを連れて都へ行く覚悟を決めなければ、狩人のヒナタと王子のエイジが出会うことは無かっただろう。そう思うと、この旅が価値のあるように思えてきたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ