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dark.dark  作者: 相原ミヤ
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光と闇とリーク(3)

ヒナタは光のためにボルトを犠牲にした。ヌーンの片割れも死んだ。すると、リークが振り返り、そっとヒナタに歩み寄った。薄金色のリークの髪。金色のリークの瞳。華奢なリークが、そっとヒナタを抱きしめた。リークからは不思議な匂いがした。温かく、心地よい匂い。包まれていると、幸せな気分になった。その気持ちは恋などでなく、大きく温かい存在に包まれる安堵の気持ちと似ている。

「大丈夫だよ、ヒナタ。大丈夫。俺は何度も見てきた。未来を信じる命以上に強いものは無いんだよ」

ヒナタはリークにしがみついた。リークの細い手がヒナタの頭を撫でて、リークの声が耳元で響き、リークの優しさがヒナタを満たした。フッとリークの腕の力が抜けたと思うと、リークはヒナタから離れエイジに言った。

「エイジ、豊国で出会った時から、俺はエイジを信じていた。エイジは自分の立場と責任を知っていた。それは、俺やヌーンたちと同じだ。本当は、ヌーンを探し出し、彼女と二人で解決するつもりだったけれども、俺は考えが変わったのさ。君を見てね。暗闇の世界でも、人は強く生きている。他人を思う気持ちも、未来を願う気持ちも、何も変わらない。ヌーンに負担をかけたくないのもあり、俺はエイジを信じたんだ。この世界の人は必ず自らの手で光を取り戻すと。だから、何度も君達を救った。言い切ることが出来るんだ」

リークは大きく空を見上げて、タギを睨んだ。

「タギは、俺がこの世界に足を踏み入れたから、この暗闇の世界が終わると思っているね。けれども、事実は違うんだよ。確かに俺は、暗闇の世界を終わらせる力を持ってこの世界に来たけれど、俺が世界を救う確証は無い。俺はヌーンの味方でもあり、タギの味方でもあるのだから。確かにタギの言う事も一理ある。俺だって迷うよ。第一、失敗して俺自身が命を失うかもしれない。俺の代わりは誰にも出来ないから俺は死ねない。これは危険な賭けだよ。けれども、暗闇の世界を終わらせることを決めたのは、ここで生きる命を見たから。俺は、命を賭けても光を取り戻したいと願ったのさ」

リークは一歩前に踏み出した。

「タギ、この塔が最後だね。機械が蓄積したエネルギーをこの塔で空へ打ち上げ、光を奪っている。もう、終わりにしよう」

ヒナタは今まで思っていた以上にリークが高貴な存在である事を確信した。彼は多くの命を支える存在。そのリークが命を賭けて光を取り戻すために助力してくれた。それは奇跡に近い。


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