光を奪った男(2)
一人、状況が分からないのはヒナタ一人だ。リークはもがくようにヒナタの背から降り、地に座り込むとヒナタの背を叩いた。
「あの時、以前あったとき、タギは己の世界を守ろうとしていた。なのに、どうして今は他所の世界を滅ぼそうとしているんだ?あの世界は、どうなったんだ?」
リークはヒナタの分からないことを言っていた。
「かつて、私は世界のために戦っていた。リークのように、強くなろうと……。けれども、それは間違いだった。世界は私に牙を向き、私は何も守れなかった。この地で、私は決めたのだ。私らしく生きようと」
タギは言った。闇がヒナタたちに近づき、突然リークの身体が浮いた。まるで、闇がリークの首を掴み持ち上げているようだった。
「な、何……」
ヒナタは言葉を失った。しかし、リークがなす術も無く殺されようとしているのだと分かった。リークはタギに勝てない。弱ったリークが持つ光は、タギに呑まれようとしている。タギは高らかに笑った。
「それで、どうしてリークはここへ来た?私が機械を持つ限り、リークは私に勝てない。それは、私でも知ること。世界最初の生き物リークの弱点を。まさか、説得でもしき来たつもりか?リークという大きな存在の命を賭けて、リークが命を捨てるほどの価値がこの闇の世界にあると?」
タギはけらけらと笑った。何のためにこの場に来たのか。なぜ、ヒナタはリークを闇の中に連れてきたのか。ヒナタは分からなかった。
「さあ、ボルトも貰おう」
タギが言ったと思ったら、不思議な力でヒナタの腰から下げたボルトが強く引っ張られたのだ。
――おい、止めろ!
ボルトが叫んだが、ヒナタは恐怖のあまりに動けなかった。暗い闇に足がすくんでしまったのだ。




