光を奪った男(1)
リークを都まで連れて行く。豊国でエイジが決意し、一人旅立った。盗賊と黒軍との三つ巴の戦いの後、アサヒがリークを守りライト博士の下まで導いた。そして今、リークはヒナタの背にいる。これまでの旅の集大成がヒナタに掛かっている。
「大丈夫、大丈夫だよ。ヒナタ。ほら、あの上にタギがいる」
ヒナタの背中で、苦しそうなリークの声が響いた。
「リーク?」
ヒナタは思わず足を止めた。
「大丈夫。眠っていても、俺はずっと一緒だったからね。か弱き人々が、大きな力に立ち向かおうと足掻く姿をずっと見ていた。……ずっと一緒だった。この世界に足を踏み入れたときから、信じていた。人は強く、闇の中でも光を探し、諦めなかった」
リークが身を動かし、ヒナタはリークを下ろした。
「リーク、大丈夫なの?」
ヒナタはリークを覗き込んだ。顔面は蒼白し、唇は乾燥して切れている。口から零れる呼吸は、今にも途切れそうになっている。とても辛そうなのに、リークは決して弱音を吐いたりしない。
「大丈夫だよ。ヒナタ、きっと、タギはとても怖がりで孤独なんだ。そうだろ、タギ。会いにきたよ。俺を待っていると思ってね」
リークが闇を見上げた。塔の頂上まで残り十数メートルの地点までヒナタは上っていた。リークが闇の中の一点を見つめているから、ヒナタはリークの視線の先を追った。そこには闇しかない。しかし、まっすぐに見ると闇の中から人影が現れたのだ。
「久しぶりだね、タギ。この前会ったのはいつだろうね。まさか、こんなことになっているなんて、思ってもいなかったよ」
リークとタギに面識があることに、ヒナタは驚かなかった。リークとは、ヒナタにとって計り知れない存在なのだ。
「私を、殺しに来たのか?」
闇から響く声。それは、間違いなくタギの声だ。
――てめえ。……俺は知っている。知っているぞ!
ボルトが感情的に叫んだ。




