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ボルト(3)
確かにアキラは豊国の外から現れた。科学者以上の知識を持つ一流の狩人だ。それでも、ライトの息子だということは信じがたい事実だった。しかし、落ち着いて考えれば納得がいく一面もあるのだ。七年前の旅でアキラがライト博士の家に行ったのは、アキラがライト博士の事を良く知る人物だから。
――アキラはライトの息子だよ。血は繋がっていないがな。だからアキラは先代ライトに弱い。七年前、先代が都についていくと言えば、同意するし、先代がここに残るといえば、ここに残る。あの偏屈爺は何も変わらない。信じられないか?
ヒナタは首を横に振った。
「そんなこと、どうでも良いって思えるようになったよ。それで、ヌーンと面識は無かったの?」
ヒナタはもう一人の不思議な存在、ヌーンについて尋ねた。現ライトはヌーンと近しい存在だ。ライトの所有物であったボルトが知っているかもしれない。
――分からねえ。会ったことがあるような気もするが、結局のところは思い出せねえ。第一、今のライトは子供のころに後継者としての立場を決めたからな。俺は現ライトをあまり知らない。
あくまで仮定の話だ。ヒナタはどこかでヌーンとボルトが繋がっているように思ったのだ。
「行こう、きっと、リークもそうしろって言ってくれるよ」
ヒナタは方向を変えた。




