狩人アキラ(1)
目が、アキラの強い目だった。ヒナタは思わず、アサヒからボルトを奪い取るように手に取った。
(ボルトだな。聞こえている。一体、どうしてここに……)
アキラが言い終わる前に、ヒナタは画面を覗き込んだ。そこにいるのは、間違いなくアキラだ。最愛の父がそこにいる。そう思うだけで、ヒナタの目から涙が溢れた。生きていた。嬉しくて、嬉しくて、どうしようも無かった。画面の中のアキラが柔らかく微笑んだ。
(ヒナタ、大きくなったな)
アキラの声がボルトを介して低く響いた。どうしようもなく嬉しいヒナタをの肩を、そっとアサヒの右手が包んだ。
(それよりも、どうしてヒナタがここに?)
アキラがヒナタに尋ねた。
「私が連れてきたの。悪い?」
アサヒが画面を覗き込んだ。すると、アキラの目が驚いたように見開き、そして柔らかく微笑んだ。
(アサヒ……。良かった。ずっと信じていた。アサヒは生きて豊国まで逃げ延びると。そして、ヒナタを助けてくれると……)
アサヒが小さく笑った。
「私はヒナタを助けたりしていない。ヒナタは自分の力で強くなった。あなたの血筋は本物。それで、どうして出てこないの?道具が無くても、あなただったら出てこれるでしょ」
(一人ならな。もう一人を残していけないだろ。何せ、気難しい人だからな)
言うと、アキラは通信機を動かした。微かな明かりの先に映っているのは、機械に向かう老人だった。
(タギに投げ落とされたが最後、どうやらここはタギにとってのゴミ捨て場らしい。いろいろな物が捨てられていたよ。彼が、この機械を組み立てて、研究を始めてしまってね。機械を組み立て、発電を始めて、コンピュータを解析して、とうとうタギの秘密の糸口を見つけてしまった。タギは招かれざる存在。この闇を生み出したのはタギ自身であり、鍵はボルトが握っている。ヌーンという存在がタギと敵対する唯一の力)
アキラは逃げられないのでなく、逃げ出さなかったのだ。ヒナタはそう思った。ならば、なんともアキラらしい。




