闇の都(7)
比較的きれいなリークはそのままの服で、新しい衣類を身につけたヒナタは再びリークを背負った。重みを感じるのはリークの体重だけでなく、ヒナタたちに寄せられる希望。ヒナタは希望を背負っている。
――覚悟決めろよ、泣き虫ヒナタ。
ボルトがこれ以上ないほどの嫌味な声で言った。
ヒナタたちは先へ進んだ。ヒナタはアサヒが片腕で普通のバイクを運転できるのかと心配に思ったが、アサヒは平然と運転していた。アサヒの運動能力はヒナタを凌駕し、ヒナタは狩人としてアサヒの遥か後を歩いている。
道路は立体的に作られ、街灯で明かりを灯されていた。道路は廃墟のような遺跡でしか見たことがないアスファルトで固められ、光を反射する反射板にて壁や線が照らされている。どうやら、車は何かしらのルールに乗っ取って運転されているらしい。左側しか走らない車。線に従って運転されている。贅沢な街灯の明かりによって、視界は確保されている。どうして、人の住むことのない道を照らすのか、どうして他の事に使わないのか、ヒナタは不思議でたまらなかった。そんなヒナタが見たのは、高い建造物と眩いほどの明かりで照らされた街だった。光がキラキラと輝き、幻想的な雰囲気であった。どうして、不必要に照らし出すのか理解できない。しかし、明かりを見ていると満たされた気持ちになり、この輝きを見ている自分は特別な存在であるように感じるのだ。貧民街とは別世界がここに広がっていた。
――何キロワットの電気を使ってんだろうな。
ボルトが呆れたように言った。キロワットでは説明がつかないほどの電力が都に満ちていた。これだけの電力を、どのようにして生み出しているのだろうか。これだけの電力があれば、原子力発電所の故障と共に崩壊したキョウやカオルの故郷を救うことも可能なはずだ。これだけの発電設備があれば、極寒の気候に苦しむ豊国の生活をより豊かにすることが出来るはずだ。




