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dark.dark  作者: 相原ミヤ
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ライト博士(8)

 リークたちが着いたのは、ヒナタたちが着いてから一週間後の事だった。ヌーンがリークは無事だと断言するから、ヒナタたちは安心して待ち続けることが出来た。ヌーンは傷が癒えると、ヒナタたちと距離をとり外で過ごす事が増えていた。傷が癒えるのが早く感じるのは、ヌーンが特別な存在であるからかもしれない。

 約束どおりアサヒは傷つきながらも、眠るリークを背負ってバイクに乗ってライト博士の下へ現れた。ヌーンに呼ばれて、家の外で待っていたヒナタたちは、一週間たっても動けないエイジを別に、二人を出迎える事が出来た。

「アサヒ!」

真っ先に飛び出したのは、カシだった。これまで堪えていた寂しさがあふれ出したかのように、カシは一直線にアサヒに駆け出した。もちろん、それはヒナタも同じだ。七年前、アキラたちの帰りを待ちわびたのと同じ。あの時は、アサヒ一人で帰ってきたことに絶望したが、今は違う。ヒナタにとって、アサヒも大切な存在だから。

「良かった、みんな無事だったのね――エイジは?」

アサヒは見えないエイジの姿を探し、そこへ手を差し出したのは、ライト博士だった。

「黒軍の銃弾にやられたんだ。おそらく、PX弾。とりあえず、解毒剤を入れたから、最悪の事態は免れるだろうけど、しばらくは動かない方がいいね。――また会えて嬉しいよ。アサヒ。さあ、リークを預かるよ」

ライト博士はアサヒを懐かしむように言い、そっとリークを背負った。リークはやはり眠っていた。ヌーンが鼻をリークに近づけると、リークは薄く目を開いた。リークは弱っていた。今にも消えてしまいそうに生気が希薄になっていた。

「ヌーン、元気だったかい?ずっと、この暗闇の世界を守ってくれていたんだね。」

力なく伸びたリークの手がヌーンの鼻に触れた。

「大丈夫。光は平等に降り注ぐ。待つことは辛いことだけれども、ヌーンは待ち続けた。ヌーンの命は、多くの命を支えているから。その重責に耐えて、ヌーンは独りで待ち続けた。もう少しだからね。きっと、もう一度会えるよ」

リークの言葉は、変わらず光だった。言葉の一つ一つが希望を与える。

「アサヒ、オイラちゃんとしていたよ。ちゃんとしていたよ」

ヌーンがアサヒに泣きついていた。

「カシ、頑張ったね」

ヒナタもアサヒの無事に安堵した。エイジと二人でも苦戦した旅。アサヒは、リークが一緒とはいえ、ナビゲーションのボルトもなく、食料も水もなく、アサヒはここまでたどり着いた。その旅路がどのようなものだったのか、想像するに容易い。過酷な旅に違いない。

「ヒナタも。無事で良かった」

アサヒは片手でカシを抱き上げ、ヒナタに微笑みかけた。

「リークはもう限界が近いから、タギの元へ行くなら早いほうがいいわね」

アサヒの言葉がヒナタを追い詰めた。リークに限界が近い。


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