ライト博士(1)
暗闇の中にあるはずのない一つの明かりを見つけたとき、ヒナタは嬉しくて涙が流れそうだった。ヒナタたちは、ライト博士の下へたどり着いたのだ。
ライト博士の家はアサヒの家の造りとよく似ていた。よくよく考えれば、アサヒの家の造りがライト博士の家の造りと似ていたのかもしれない。闇の世界の獣を排除するための柵、自家発電装置、万一の襲撃に備えて外へ向けられた明かり。ヒナタがライト博士の家のまでバイクを止めると、真っ先にカシがバイクから飛び降りて家へと駆け出した。
「カシ、待って!」
ヒナタはエンジンをかけたまま、カシを追いかけた。カシは柵を飛びつくように開くと中へ駆け込んだ。
「待って、カシ!」
カシの目にはアサヒが見えている、と思うほどカシは一直線だった。ライト博士とヒナタは面識がなく、その存在がどのような人物なのか分からない。危険な存在かもしれない。狩人として、ヒナタはカシを止めようとしたが、思いのほか子供の足は速く、ヒナタがカシの肩を掴んだとき、既に扉は開かれていた。
「おや、お客さんかな」
明るい部屋の中には、小さなダイニングテーブルがあり、優雅にお茶を飲む男の姿があった。客観的に見て間違いがなければ、男はライト博士だ。ヒナタが不思議に感じることは、男があまりに若い事だ。もし、ライト博士が名称であるならば、男は何代目のライト博士になるのだろうか。そして、七年前のライト博士と同一人物であるのだろうか。男の見た目から七年を引くと、ライト博士として立つには若すぎるような気がした。
「もし、悪い奴やったら困るんだけどねえ」
そう言うと、ライト博士と思われる男はカップを持つのと反対側の手で銃を構えた。何の敵意も殺意もない動きのため、ヒナタも気づく事が出来なかった。
「お譲ちゃん、狩人さんだね。銃を抜いたらいけんよ。これね、普通の銃と違って水素電池が入ってるんよ。お譲ちゃんの銃じゃ、勝てんよ」
何の敵意も殺意も無い口調だった。闇の世界の中、一人で生きているとは思えなかった。こんな僻地で、一人で生きていくにはアサヒのような強さが必要だからだ。
「ヒナタ、どうした?」
傷ついた腕を押さえながら、エイジが入って来たが、銃を持つライト博士を見てエイジはすぐに刀を抜いた。




