黒軍の再襲(1)
荷物を積み込むと、ヒナタたちは再び出発した。ボルトが検索したところ、ライト博士のところまで残り三日の旅だ。距離からして、バイクのバッテリーはぎりぎり足りるか、足りないかといったところだろう。
「ヒナタ、ボルトのバッテリーを節約しよう」
エイジが唐突に言った。
「え?」
「ボルトを使用するのは、道のナビゲーションだけにするんだ。辺りの警戒までしていたら、ボルトのバッテリーが持たないだろ」
ボルトの使用する電力は大きい。辺りの詮索、ナビゲーション、酷使続けるとボルトはバッテリーを使い果たしてしまう。暗闇の中、ヒナタはボルトに頼っている。慣れた豊国であれば何とかなる。しかし、ここは豊国から遥か遠くの地。道など分かるはずも無い。
「でも、周囲の警戒を解くと敵が接近してきても気づくことが出来ないでしょ」
闇の世界で生きる生き物たちは、容易く人間を殺す。生き延びるには、ボルトの力が必要だった。しかし、ボルトの力を酷使すれば、電力が尽きていずれボルトは動けなくなり、ライト博士の下までたどり着けなくなる。二つの道を秤にかける。リークのような神がかりの力を信じるか、現実を見るか。
「俺はさ、さっきの獣を信じたいんだ。あれは獣じゃない。知能も感情も持つ存在。信じてみたいんだ。俺たちは、三人で旅をしているんじゃないって。俺たちを守ってくれる存在がいるって。だってそうだろ。まるで、あの獣が守ってくれたみたいじゃないか……」
エイジはそっと微笑んだ。




