闇と盗賊(7)
エイジはなかなか起きてこなかった。エイジはいつも早起きだから、起きてこないことが不思議であったが、豊国を出発からエイジは常に気を張り巡らせていた。疲れていて当然だ。これから、どうするべきか。ヒナタはこの先を見て考えた。
――約束の場所で。
はぐれたときは、ライト博士の下で落ち合う話になっている。
「ボルト、ライト博士の場所は分かるの?」
ヒナタはベルトにぶら下げたボルトに尋ねた。
――俺の力を甘く見るなよな。アサヒが教えてくれた。案内ぐらい、容易いものさ。
ボルトは少しも危機感を表していない。ボルトが落ち着いているから、ヒナタはリークの生死が分からないことの不安と、アサヒとはぐれてしまったことの孤独を忘れることができるのだ。
「頼んだよ。ライト博士の下に行くまで、大変になりそうだから」
ヒナタは暗い空を見上げた。暗い、暗い闇に飲み込まれていく。闇が不安と孤独を助長させるも、ヒナタには相棒がいる。最強の狩人アキラを導いていたコンピューター。その力を信じないはずが無い。
「アサヒはライト博士の下へ向かっているはずだから、のんびりはしていられないね」
ヒナタはボルトを軽く叩き、ボルトは珍しく文句を言わなかった。
エイジを起こし、ヒナタは出立の準備をした。カオルは貴重な食料や電力を惜しみなく提供してくれた。
「光を取り戻す鍵となるなら、私たちは出来る限りの援助をするわ」
カオルが的確に盗賊たちに指示を出し、物資を運び出してくれた。盗賊が持つ僅かなバッテリーの電力を車のバッテリーに移し、貴重な食料を車に積み込む。ヒナタたちはリークを都に連れて行くのでなく、希望を運んでいるのだと改めて感じた。暗闇の世界、再び心に光を灯すために。




