闇と盗賊(3)
ヒナタたちは盗賊の住処に導かれた。このまま先を急ぐにも、物資が不足しているのは事実だった。暗闇の世界で光は見えないが、時は夜を示し、リークと離れた今、野宿は危険なものとなる。ならば、盗賊たちのところへ身を寄せた方が安全だと判断したのだ。投降した黒軍の大部分が盗賊たちに寝返った。数人は、闇の山へ立ち去ったが、キョウたちは気にせず、闇の山へ立ち去った者たちが、盗賊たちを裏切らないことを確信しているようだった。盗賊たちの住処は、狩人の村と似ており、違うのは、発電システムを持っていないことだ。気温が低くないから、電気や温泉を暖房に使用しなくても凍死することはない。しかし、裸電球一つで生活するということは、心細いものだ。家は斜面に穴を掘られて作られ、小さなものであるが、寝泊りするには十分だった。気温が高いから平気だというものだ。
「電力は略奪した物だ。同時に、食料も、衣服も、何もかもだ。時に、獲物を狩ることもあるが、基本的に俺たちは盗賊家業」
キョウがヒナタたちを気さくに村に導き言った。
「逃げた黒軍は気にしないのか?」
エイジがキョウに尋ねていた。ヒナタも意見だ。すると、カオルが笑っていた。
「よっぽど田舎から来たのね。タギの支配の及ばない田舎」
カオルが話す理由をヒナタが知ったのは、その後のことだ。タギの支配を知ると、カオルの言葉の真意も分かる。
二人は原子力発電で電力を作っていた町で生まれた。村と呼ばないのは、原子力発電の発電量が大きく、多くの人々を支えていたからだ。その原子力発電に影が見え始めたのは、二人が幼い頃。何代目かのライト博士が作った原子力発電は、最も安全で最も確実な発電システムとされていた。何かをきっかけに、原子力発電に亀裂が始まり、放射能が漏れ始め、発電量も著しく減量した。ライトが原因究明に繰り出したが、解決策は見つからず、ライト自身も大きな力に発電所が壊されているようだと、話したそうだ。危険を感知し、人々は町を離れ徐々に町は衰退を始めた。治安の悪化、病気の流行。食糧不足。そしてついに、町の存続は不可能となった。その時、タギが町に声をかけた。タギの持つ膨大な電力資源は、衰退した町で生きる人々に希望を与えた。町はタギの支配下に下り、人々はタギの民となった。




