闇と盗賊(2)
盗賊たちは、キョウとカオルを中心にまとまっていた。盗賊たちは、もともとカオルの父が頭領を行っていたらしい。そして、今は娘のカオルと、カオルと幼馴染のキョウがまとめている。そんな盗賊たちの中に、ヒナタたちに対する不信は芽生え始めていた。リークという存在。そして、リークを狙った黒軍。黒軍と戦って命を落とした者たちは、ヒナタたちを許さないだろう。視線が冷たい。ここに居てはならない。ヒナタはそう思った。彼らがヒナタたちに牙を向けるのは間違いない。この場はキョウとカオルに任せて、ヒナタたちは立ち去るべきだ。そう思った。
「行くか」
ヒナタと同じことを感じたのか、エイジが言った。この場を乱し、彼らの輪を崩すことは本意でない。
「大丈夫よ」
カオルが低く言い、キョウに目配せをした。キョウは笑って応じ、仲間を集めた。
「皆、俺は後悔をしていないよ。きっと、死んだ仲間も分かってくれる。俺たちは、希望と未来を見たのだから。もともと、俺たちはタギに反するために集まった。俺は彼らのことを知らないさ。ただの獲物だと思って襲ったら、獲物は黒軍も狙う獲物だった。それしか知らないが、後悔をしていない。タギと戦う力の無い俺たちは、タギと戦う力を人たちの援護のために、金色の光に導かれたのさ。希望を託してみないか?金色の光と、強い人たちに……」
キョウの一言に場の空気が変わった。彼らはタギを憎み、タギに反する人たちは、ここにもいる。言葉も光。キョウの言葉が、盗賊たちの心を照らしていた。
ヒナタはアサヒのことが胸に引っかかっていた。アサヒはリークを追って、居所が知れず、カシは元気を失い、エイジも何かを考えていた。希望の光であるリークの安否が分からないことが不安でたまらないのだ。ヒナタがリークを追いかけるより、アサヒが追いかけたほうが確実だ。現に、リークが連れ去られた後のアサヒの行動は速かった。
――大丈夫だ。お前が信じなくてどうする?アサヒはカシを抱いて一人で都から戻った凄腕の狩人だぞ。その力は本物だ。俺は、アサヒの力を知っている。
ボルトが全てを知っているかのように言った。
「そもそも、ボルトがアサヒを見失うからでしょ」
ヒナタは思い切り嫌味を込めてボルトに言った。機械でありながら、ボルトはけらけらと笑った。




