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冴えない俺が、何でも教えてくれる魔法を手に入れたけど……  作者: 弐屋 丑二
最適な対象の発見と試行期間

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21/92

運命に組み込まれた彼女

ローウェルの荷馬車に揺られて廃墟群を通り帰っていく。

ボーッとしていたが、灯火に照らされた自宅を見ると口が開いたまま戻らなかった。

慌ててサナーと二人で荷車から降り、家の周囲を調べ周る。

立派な二階建てのレンガ造りの建物だ……。

ちゃんと屋根も直っているようだ。

玄関前に戻ると、ローウェルは自慢げに

「うちの工兵隊に二日でやってもらった。工具の横流しを黙る代わりにな」

「……それ、俺たちに言っていいのかよ……」

ローウェルはニヤーッと笑って

「お前らの家だからな。作られた過程も大事だよな?」

「聞かなかったことにするからな」

サナーも何度も首を振って同意してくる。

せっかくのマイホームの完成日にそんな黒い話を聞かせないでほしい。


建物内は、就寝時にカバーをかぶせるタイプの光石に各所が照らされていて、昼間のように明るい。

そしてなんと家具も最低限はすでに設置されている。

リビングには、テーブルと椅子が並べられ、二階の三部屋にはそれぞれベッドまで設置されている。しかも最も大きな部屋には、わざわざダブルベッドというサービスぶりだ。

その部屋に入ったローウェルは

「ここが、ナランのやり部屋だ」

凄まじく余計な一言を言って、サナーとリースから同時に脇腹を小突かれていた。


ローウェルが去った後、リビングのテーブルを囲んだ椅子に座り、どの部屋を誰のものにするか3人で会議をして、即座にダブルベッドがある広い部屋はリースに譲ることにした。

元々王族で広い部屋に住んでいたらしいので、できるだけストレスなく過ごしてほしいからだ。

サナーと俺はその左右の少し狭い部屋で十分だ。さっそく寝るかと言った俺にサナーが

「汚いし、体を洗わないとね!?」

と顔を真っ赤にして言ってきた。リースも何かを察した顔で

「そ、そうよね!洗いましょう!」

「……風呂沸かせばいいんだな?水汲みいってくるわ」

なんと、庭側にタイル張りされた立派な風呂場が増設されている。

サナーは慌てた顔で

「街の魔法管理の上下水道に接続されてみたいだけど!」

そうか、高級住宅並みの設備付きかと満更でもない気持ちになる。


風呂場を三人で見に行くと、風呂桶から湯気が立っていた。

「ローウェルだな?」

あのくそオヤジ……余計な気を回しやがって……。

サナーは真っ赤な顔を逸らし、サッサと服を脱いでいく。

リースもニコニコしながら恥じらいもせずに服を脱ぐ。

俺は立ち去ろうとすると、服を脱ぎ切った二人から左右の腕を取られ猛烈な勢いで脱がされて、風呂場に押し込まれ、そして石鹸のついたタオルで競争のように洗われ始める。

「……自分で洗えるけど」

女子二人は、後ろから顔を真っ赤にして

タオルでこすってきて俺の言葉は聞いていないようだ。

なんだこいつら……。

「き、筋肉がちょっと固くなったんじゃない?」

「そ、そうね。これが同年代の殿方の身体かぁ」

「……あの」

さすがに局部まで手を伸ばされそうだったので

「いや、もう自分で洗うから」

次の瞬間には、女子二人にガバッと後ろを向かさせられ

「どっちを先に洗うんだ!?」「私よね!?」

と顔と顔が近くなる距離まで詰められる。

「……あの」

黙って、耳まで真っ赤になっている二人に詰められ、あ、これ、もしかして詰んでる?

どっちか、いや、どっちとも洗わないといけない状況なのか……?

などと、ボーッとしてきた頭で考えていると

サナーがそのまま鼻血を出して気を失った。リースが慌てて

「も、もしかして、刺激が強すぎたの!?」

「なんてお子様なんだ……」

リースは一瞬、俺の方見て「今なら」と口走ったが、すぐに自らの首を横に振って介抱し始めた。俺はサナーが問題なさそうだと見極めてからリースにサナーを頼んで謝りつつ風呂場から出る。


着替えて、リビングで椅子に座りボーッとしているとバスタオルを巻いたリースが出てきて

「お風呂場からベッドに連れて行ってくれない?」

俺は黙って頷き、狭い脱衣場で下着姿で寝ているサナーを抱え上げ、二階の部屋まで連れて行き、ベッドに寝かせた。

リビングへと戻ると、リースが座ったまま待っていて

「あの、一緒に寝ない?」

真顔で言ってきた。意味は分かる。分かるけど……。

「……サナーが寝てるから?」

リースは黙って頷く。しばらく無言の時間が流れて

「私、ナランと一生居たい。迷いはないの。だから……もう」

「……」

分からん。もう分からん。寝ちゃっていい気もするしそれは間違いのような気もする。

「ここでもいいよ?」

リースはバスタオルをはだけようとしてきたのでそれは慌てて止める。

「せめて二階に行こう」

リースは黙って頷いた。


先に室内に入ってもらって、少ししたら扉を開けて行くと約束してから、もう俺はここは使うしかないと

「リブラー」

と呟くと、いつもの声が頭の中で



注意、不快感を与えぬように抽象的な言い回しをします。

分かりにくい場合は、もう一度その部分を尋ねてください。

リース・ウィズは後ろからの方が好みです。

まずは胸部を左右からゆっくりと……。



とんでもないアドバイスをしようとしてきたので、口を抑えて

「違うって!そうじゃなくてこの状況をリースとやらなくて乗り切れる方法を教えてくれ!」

そう言うとリブラーはまたいつもの声で



ここで、リースさんを受け入れない場合、彼女はあなたとの距離を上手く測れずに、最終的に死ぬことになります。

ここでリースさんを受け入れれば、あなたの運命に組み込まれた彼女はあなたのパートナーの一人として、そして武器としても幸せな人生を送ることでしょう。



「武器としてって何だよ!?……あー……」

大声を上げかけて口を抑える。

ああ、類まれなマイナススキルで色んなものを破壊するのか。

昨日のブラックホールスライムの時みたいに……。

くそおおおおお……ダメなのか……もう逃げられないのか……。

なんかそんなに盛り上がってもないしなあ……。

迷っていると、頭の中でリブラーの声が



リースさんの性的発情を確認。緊急でスキル構成を変更します。

"フェロモン過多" "冴えわたるピロートーク" "漲る絶倫" を一時的に追加しました。時限設定スキルなので朝日が昇る時間には消滅します。



また勝手にリブラーが俺の所有スキルをいじってる……。しかも何か馬鹿なスキル構成になってる……。と思うのとほぼ同時に扉がバンッと開いて、リースから思いっきり腕を掴まれベッドに連れ込まれた。

そして、上に乗られると彼女は興奮した顔で

「もう待てないからっ!」

と言われて、俺も急に異常に興奮すると

そこからはボーっとした頭で快楽に溺れていった。

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