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第六話 優しさと自己紹介と

前の話でやばいミスをしてました。こっそり訂正。

お姉さんにこれまでの経緯を説明する。感情はできるだけこめずに淡々と。どんなことをされたかお姉さんに引かれないようマイルドにほんの一部だけを伝えようとしたけど、私の目と手と足を失くしたいきさつや、どうして体のうちの魔力を見つけられたか、森の中に捨てられた理由を説明すると結構重い話になってしまった。

お姉さん大丈夫かな。気分悪くなったりしてない?




「そんなことがあったんですね…お辛かったでしょう。私の家でしっかりお休みになってください。」


左手に手を添えられた。温もりを感じる。引くことも気分を悪くするでもなく私のことをただ気遣ってくれた。

少し躊躇したけど、握り返す。

優しい言葉をかけて貰えたのはいつぶりだろう…胸がきゅっとなって涙が出そうになってしまう。


「あ、りがとうございます。ここまで優しくして頂いて…迷惑かもしれないですけど、しばらくここに居させてくれると嬉しいです。」


声が震えてる…顔には出ないようにしたんだけどなぁ。


「えぇ、いつまでも居て頂いていいですよ。」


このお姉さんは…こっちが本気にしたらどうするんだろう。

「いえ!そこまでは、ご家族の方にも迷惑でしょうし」


「一人暮らしなので心配ないですよ。もし何もしないのが嫌であれば、片腕で家にいてもできるお仕事を持ってきます。」


あれ?さっきの本気で言ってる?なんで…


「どうして初対面の私にそこまでしてくれるんですか?」


「…そうですね、一つは単純にあなたが片腕しかないからです。今の状態でうちから出ていっても身動きも出来ないでしょうし、義肢をどこかのお店が作っているらしいですが、高額なので私には到底払える代物ではありません。あなたに払ってもらうのも今すぐには無理だと判断しました。

もう一つは…同情したからです。これまでの話を聞いて、助けてあげたいと思いました。私の家でなくてもこの国には貴方のように体に障害がある人でも働けて暮らせる場所もありますから私でなくても良いんです。でも私が助けたい、力になりたいと思ったんです。」


一つ目の理由は…まぁわかる。起きたら出ていってよなんて言う人じゃなのはほんの少しの間一緒に居ただけでもわかる。義肢まで考えてくれてるところは凄いけれど。

でも二つ目はどうだろう、同情で人一人分の食費を補ってくれるなら貧困層なんて存在しない。話して数時間も経ってない人間にする優しさを超えてる。このお姉さんは本当にすごい人でとてつもなく優しい。


でも親切にしてくれるのにそれを邪険にする理由もない、ありがたく迷惑になろう。

それにいつまでもお世話になるつもりもないしね。私の復讐心はまだ消えてない。


「…ありがとうございます。とりあえずはお世話になります。リサーナです。リサーナ・ディグハート。よろしくお願いします。」


「私はマリアナといいます。よろしくお願いします。」


やっとの自己紹介。お姉さんはマリアナさんというらしい。これから少しずつ距離を縮めていけたらいいな。












夕食を取って、濡れタオルで体を綺麗にする。できないところはマリアナさんが拭いてくれた。少し恥ずかしかったけど慣れなきゃいけない。

それが終わるとマリアナさんも服を脱いで体を拭き始めたので慌てて魔力を止めた。魔力出してみても細かくは見えないけどさ…まぁこっちは見られてるわけだし?気にしないでいいのかな。魔力節約するために止めたままにするけど。

…一瞬だったけど胸おっきかったな。服越しだと気になってなかった

自分の胸に手を当てる。ない。Bはあるよね…

いや、まだ成長期だし。これからでしょ。


「どうかしました?」

「いえ、なんでも」


「?そうですか、では夜も遅くなりましたし、今日はもう寝ましょうか」


「そうですねっ?」


マリアナさんはそう言いながら私を右に移動させてベットに入ってくる。距離の縮め方が早すぎませんか。


「あのっ、同じベットで寝るんですか!?」


「えぇ、嫌でしょうか?ベットは一つしかないんですが」


「嫌ではないですけど…私ソファとか、なんなら床でねますから!」


「うちにソファはないです。毛布も一枚しかないんです。流石にあなたを床に寝かせるわけにはいかないですし…今後この状態が続くのであれば私が床で寝るのも次の日に支障をきたしそうなので避けたいです。」


魔力節約のために部屋全体を見たのは最初の数秒でベット周りが見れる最低限に抑えたのが災いした。ソファないのか。部屋全体をしっかりみると机、椅子が一つ、ベット、小さなタンス、奥に小さなキッチンのみ。編んでいた毛糸はどこかに閉まってしまったのだろうか。机の上、キッチン周りには何もない。一切来客を想定していないし、物が少なすぎて生活感はない。私の部屋なんてぬいぐるみやら本やらで溢れかえってたような…


「リサーナさん?」

現実逃避させて貰えなかった。てかもうベットで横になってるし、この人。


「いえ、なんでも。マリアナさんがいいなら一緒に寝ましょうか」


「えぇ、ではおやすみなさい」


これはもう慣れだ。時には諦めも肝心。


「はい。おやすみなさい」







お互い硬いですね。心の距離は遠いです。実際の距離はめちゃくちゃ近いですけど。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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