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第十八話 優先順位

万が一最新話を追ってる、それ以降読み返していない方は、前話話増やしてたはずなのでご報告。

「うぅ…」

手足が出来たことをはやくマリアナさんに報告したくて駆け足で向かおうとしたら派手にずっこけた…

魔力で動かすからか駆け足のつもりでも全力ダッシュ以上のスピードが出てしまって前のめりに顔面から地面に口づけしてしまった。


「大丈夫ですか?」

マリアナさんの声が頭上からして、手を差し伸べてくれている


恥ずかしい。傍から見たらはしゃいで転んでるように見えたのでは?そんなことないんだよ。魔力量の調節が難しくて転んじゃっただけで…


一向に手を差し出さずにいたらマリアナさんはしゃがんで布で土をそっと拭うと右腕を軽く引っ張って立ち上がらせてくれた


「はしゃいで転んだわけじゃ…」


「ふふっ、では明日はリハビリに当てましょうか。ずっと集中して今日は疲れたでしょう」


「えっ」

それは困る。


「今ので加減できるようになったから大丈夫っわっ!!む”っっ」


思わず前のめりになってマリアナさんの胸に飛び込む形になった。マリアナさんはそっと受け止めて抱きしめてくれて……やっわっ!!…じゃないや

「ご、ごめん」

即座に離れようとしたのにマリアナさんは腕を緩めなかった


「………?」

これはどうゆう状況です?え、なんかロマンチックな雰囲気?


「…本当ですか?」


…表情が見えなくても心配されてるってわかる声

ロマンチックな雰囲気なんかじゃない、これはあれだ。教師に優しく諭される時のあれだ。

「どうしてそんなことしちゃったのかな?怒ってないから、ゆっくりで良いから教えてくれる?」

っていう思わず本音が出ちゃうやつ…


「何をそんなに急いんでいるんですか?…私には言えないことでしょうか」


顔が胸に埋もれるくらい近かった距離は少し離されてそれでもすごく近くで、頰を撫でられる。



「マリアナさんと沢山思い出を作っておきたいの」


これはお昼の時に言おうって思ってたこと…二週間でお別れしたくなくて、怖気付いていたのかな


「…思い出、急いで作らなければいけないでしょうか。少しずつ時間をかけて作れないんでしょうか。」


マリアナさんは察しがいいみたい。躊躇って言えなかった核心をついてくる。一度息を吸って吐く。ふぅ…


「二週間経ったらマリアナさんの家から出て行く」


「…なぜ?」


「それは、これまで迷惑かけちゃったし。」


「…迷惑ではありませんでした。」


「恩は二週間でできるだけ返すから」


「恩を返して欲しくて言ってるわけではありません。」


「迷惑かけられないから。」


「貴方に手足があろうとなかろうと目が見えて見えなくても迷惑ではありません。」


「お父さんと、お母さんが心配してると思うの。一回帰らなきゃ」


「………」


本当に帰るつもりはある。全て片付けてから帰るつもりなだけで。


「…一人でですか?」


「うん。」


「どうやって」



ガシィナに帰るには紛争地帯を通るか、アスパリを直進するか、それとも大回りに一ヶ月ほどかけて行くかの三択だ。

うん。アスパリに復讐しに行くのにそれを隠そうとしてアスパリ直進して帰りますは意味ないだろう。紛争地帯もほぼ同格。


「大回りに帰るよ。安全第一だしね。」


「短期間でしか目が見えないあなたが一人で行けるほど安全なルートではありません。」


「手と足がある。短期間でも目が見えてる。ほんの数週間前より全然マシだよ。それに杖があれば魔法も使える。」


「それも全て魔力量頼りでしょう。」


「…ねぇ、マリアナさん。大丈夫だよ?何でそんなに引き止めるの?」

何で引き止めちゃうの?

もっと一緒にいたいって我儘になっちゃうよ。心の奥底で燻ってる炎が気にならなくなるくらいしたい事を引き出さないでよ。


「それはっ!…ただ心配なんです。できることが増えてもまだ心身共に完全に回復できたわけじゃないと、感じてるんです…」


「マリアナさん…もう十分癒してもらったよ。心配しなくても大丈夫。」

私は大丈夫。目は見えないけど、アスパリにいた頃と比べたら毎日楽しくて……マリアナさんと、もっと仲良くなりたいってすっごく思うけど、アスパリの国のやつらを、何も知らなかった時のままで見ないふりなんてできない。だから心配かけてたってとまれない。


「…」


「それに、まだ2週間もあるんだよ。」


「…」

マリアナさんなにも言わなくなっちゃった


「…」


「…」


「あ!そうだ!!あの、あと二週間、あるけどマリアナさんはお仕事で忙しいだろうから一日中いれる機会が明日ぐらいでしょ?だから明日はマリアナさんと一緒にお出かけしたいな〜って…。今日頑張れば普通に歩けるぐらいにはなるだろうしさ!」

話のすり替えじゃないよ。これ伝えるために今日はずっと頑張ってたんだから。


「…」


「だ、だめかな?」


「…」


「…」


また沈黙


「……はぁ」

え、おいかり気味?もしくは呆れられた?明日一緒にお出掛けできない?


「マ、マリアナさん?」


「もう仕方ないですね。明日出かけるのなら今日頑張って手足を扱えるようにならないとですね。」


「!!やった!ありがと、マリアナさん!!今日練習したらすぐに慣れるよ!」


「あぁ、ほら、あまりはしゃぎすぎると先程のように転んじゃいますよ」


「いや、違うよ!?さっきはしゃいで転んだわけじゃないから!?」






お待ち頂いた方…申し訳ありませんでしたぁぁぁ。

これからは毎週金曜日に投稿できたらいいなと思っておりますぅ

【小話】

リサーナの方が意外と理性的

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