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第九話 マリアナさん






ガチャ

扉の音が聞こえる。


「おかえりなさい」


「…ただいま帰りました。夕食を用意するのでお待ちください」


そう言いながらマリアナさんはキッチンに向かう。

冷凍庫から色々な食料を取り出していく。これまで食べたのはお粥だけだけどすごく美味しかったな。入ってる具材と味が毎回違くてどれも優しい味だけど食欲がわいてくるものだった。


話を聞くなら今がいいかな。魔力回路のことはもちろん聞いてみたいけど、それ以上にマリアナさんのことを知りたい。


「マリアナさん、料理をしながらでいいのでお話ししませんか?マリアナさんのこと知りたいんです。」


「…はい、いいですよ。どんなことが知りたいんですか?」


「なら早速…マリアナさんのお仕事について教えてほしいです。」


「今は教会が運営している孤児院で働かせてもらっています。子供のお世話、料理や洗濯、後はそこで育てている野菜などを収穫して、子供たちと市場に売りにいったり、ご近所の方に配ったり…リサーナさんに食べてもらったお米や野菜はご近所の方に貰ったりわたしたちで実際に育てたものなんですよ。」


なるほど、子守唄のことも料理が美味しいこともお世話自体に慣れてることもそういう理由だったのか。


「そうなんですね。色々と納得しました。マリアナさんの料理がおいしかったのっていつも子供たちに作ってるからなんですね。…あ、そういえば昨日はお昼から居ましたけどお休みだったんですか?」


「料理が美味しいと思って頂けたのなら嬉しいです。リサーナさんを拾ったのが仕事に向かう前だったので…一度家にあなたを連れて帰ってから、孤児院に行ってその話をしたんです。そしたら目覚めるまでそばにいてあげるように言われて。それまでお休みするから来るなと言われてしまいました。」


「そうだったんですね。孤児院の人にも迷惑かけちゃいましたね…」


さっきの話を聞く限りマリアナさんのお仕事は割とハードな気がする。人一人抜けて孤児院の人たちも大変だっただろう。


「そんなことないですよ。むしろ心配していました。目覚めたことを報告したらたくさん栄養つけてあげなさいと色々と食材をもたされましたよ。普段は子供たちを寝かしつけるために遅い帰りなんですけど、今日はその前に帰されました。」


いい人しかいないのか。これまで住んでた世界と違いすぎる。気づかないうちに天国に旅立っていた説が浮上してきた。死んでないよね。ほっぺを引っ張る。痛い。


「何してるんですか?」


「いえ、なにも。」


「お喋りはここまでにしましょう。料理が出来ました。今日は鮭とお粥とワカメとお豆腐のお味噌汁です。」


「おぉ、今日の夕飯も美味しそうですね。」


「はい。鮭は今日持たされたんです。新鮮なうちに頂きましょう。それで、左腕でお箸を扱うのは大変でしょう。私が食べさせても宜しいですか。」


「…………そうですね、お願いします。」


やっぱり今日中に魔力回路のこと聞いてみよう。足より腕が早急に欲しい。







最後までお読み頂きありがとうございました。

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