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イギョウ  作者: らすく
4/33

マト

 ==== パサッ ====

 帯に続いて、着物も村娘の足下に落ちたのだった。

 ==== カサカサ ====

 ガサツな音が、密かに動いている。

 それとは対照的に、柔らかい風が吹いている。

 静かになった・・・・。

 彼女の立ち姿は・・・。

 その村娘は鎖帷子くさりかたびら・忍びの服をまとっていた。

 彼女は着物姿から、忍びの装備に切り替えたのだった。

 村娘の顔は、とても凛々しかった。

 そう、彼女は、少女からクノイチになったのだ。


 「相変わらず、お前は騒がしいのう。」

 彼女の背中から、年老いた声が聞こえた。

 「もう、行くから・・・。」

 後ろを振り返りもせずに、少女は言った。

 「もう少し待て、マト。」

 老人の声がした。

 どうやら少女の名は、マトと言うらしい。

 「もう、我慢できないよ。」

 彼女の決心は、固い様である。

 それはマトが、拳を握り小刻みに震えている事から、読み取れるモノであった。

 「今は、別の任務に人数が割かれているのじゃ。

 待てばマト、応援が入るのだぞ。」

 老人の声は、彼女を窘めている様子であった。

 「でも、兄さが・・・。」

 マトは納得がいかないという、態度を取っていた。

 

 ==== 話は遡る ====

 マトの兄は、凄腕の忍びであった。

 「今回は特殊任務、ある者の殺害じゃ・・・。」

 声の主は、この忍びの里の長老である。

 「その者は何処に・・・?

 そして警護は、どの様になっておるので・・・。」

 彼は具体的な内容を掘り下げる質問を、長老に投げかけたのだった。

 「その者に、警護はついておらん・・。」

 何故か長老は、言葉に滑らかさが無かった。

 「では、どの様な相手なので・・・・?」

 マトの兄である忍は、具体的に任務の対象人物を知りたがっていた。

 「その者は、人ではないのじゃ・・・。」

 「人ではない・・・。」

 長老の台詞を、彼は重ねて述べた。

 「かといって、獣でもない・・・。」

 「・・・・それは・・・。」

 「何かとは、判別出来ぬのじゃ・・・。」

 そこで忍びは、この任務の難易度を感じたのであった。

 長老は目を瞑り、これ以上は説明のしようのないことを、暗に態度で示していたのである。

 「それでは、言って参ります。」

 改めて準備をする必要も無いのか、彼はすぐに出立した。

 「頼んだぞ・・・、エンサイ。」

 忍びの里の長老である、老人は凄腕の忍を案じながらも見送っていた。

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