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イギョウ  作者: らすく
3/33

村娘

 (んん・・・)

 彼は苦悶の表情を浮かべていた。

 由太郎は記憶を遡っているようである。

 彼の脳裏には、一人の男の姿があった。

 そう、先程からの杖の男である。

 その杖の男は、衣服も身体も満身創痍の状態であった。

 状況から察するに、何者かと戦っている様子である。

 「ぐかっ!」

 攻撃を受け負傷する、彼の声が由太朗の鼓膜に響いた。

 どうやら、杖の男の劣勢は明らかであった。

 「き、貴様は・・・!」

 彼はあることを知った様である。

 その台詞と共に、杖の男の喉笛は掻っ切られ、血飛沫がたっていたのであった。

 ==== くふわああ!!! ====

 そこで由太朗は、目が覚めたのであった。

 全身が、汗ビッショリである。

 少なくとも、はっきりした事がある。

 彼は、あの杖の男の死に際に立ち会っていた・・・。

 それを悟った由太朗は、どうすれば分からなくなり、途方に暮れていた。

 

 ひたすらに、とある未開の山奥と歩き続けていたとしたら、そこは・・・・。

 急に目の前が開けた。

 そこには、里があった。

 この里には田畑があり、村人が働いている。

 しかし、この里は外の村とは違っていた。

 彼らには、別の顔があったのだ。

 一言で言うと、この村は・・・。

 ==== 忍の里ーー ====

 長年の間、近隣の大名・豪族と繋がりがあり、巧みな外交力で多くの仕事を請け負ってきた。

 そして報酬を得て、力を蓄えてきたのだ。

 世代を重ねて、手練れの忍びを育て増やしてきたのだった。

 しかし、ここに来て、歯車が狂い始めた・・・。

 この忍びの里は、バランスを取るための戦略を見誤ったのだ。

 今まで周囲の勢力と、それぞれつかず離れずの関係を気づいてきた。

 ところが、この忍びの里は一つの大名を敵に回してしまったのである。

 たった一つの勢力とはいえ、敵は余りにも強大であった。

 敵の大名は、非常に狡猾であった。

 彼は周りの豪族などの勢力と、巧みな交渉をしたのだ。

 周りの豪族をそそのかし、この忍びの里を共通の敵に仕立て上げたのだった。

 ・・・・・この忍びの里は、危機的な状態になっていた。


 末期的な状態にある、この忍びの里・・・・。

 村人達も、この危機を感じ取っており、だんだんと里には活気が無くなってきていた。

 いや・・・・、まて・・・、この寂しい状況にあって、幼さを残しているものの美しい娘の姿があった。

 ・・・・、その村娘は、自分の着ている着物の帯に手をかけた。

 ・・・・、彼女の着物の帯は、地面にパサリと落ちた。

 そして村娘は、着物の前を、はだけたのだった。

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