Re記念配信(コラボ)7
長らくお待たせしました
名無し:はい?
名無し:あんた初めて使うって言ってなかったっけ?
名無し:大丈夫か?
「確かに僕のこの構成は付け焼き刃の即興技だけど跳弾はどうせ効かないからいつもゼロ距離でチェッキーさんのヘルメット剥がすか俺の首が飛ぶかの泥仕合になってたしこっちのが勝率高いはずなんですよ」
そう言って抜き放った刀片手にチェッキーに向けて走り出す。
その想定外の装備に一瞬と視界の悪さのせいでリスナーにも分かるレベルで硬直したチェッキーだったが向こうも間合いを詰めに来た。
フルフェイスヘルメットにより視界が限られたチェッキーが最も警戒しているものは死角からの不意打ちなのでなるべくパールに距離を取られたくないのだろう。
そのまま両者トップスピードで突き進み衝突する直前でパールはヘルメットの横長の隙間に向けて突きを放ちチェッキーはそれそれに反応して刀身を横から切り払った。
突きを横から弾かれたパールは体勢が崩れる。
その瞬間すぐさま切り返したチェッキーが袈裟斬りを放つ。
それは耐性の崩れたパールの首へと向かっていたが、あるものに反応してチェッキーはバックステップで飛び退く。
体勢を立て直したパールの左手には拳銃が握られていた。
名無し:おお!!
名無し:すげー
名無し:でもあれは普通の拳銃だね
このカードは基本的に有利不利がない。
2人のスタイルがあまりにも偏っている為互いの対策をすると互いに本来の全力戦闘が行えなくなるからだ。
更に2年半もの戦いの中で互いに互いの手は知り尽くしているため完全なじゃんけんになってしまう。
(でもそれじゃあ面白くない)
そしてそう考えるのはパールだけではないはずだ。
おそらくチェッキーもこの半年で自分の手札になんらかの変化をつけて来たのだろう。
そして軽く切りあっていた2人だったが盤面は動く。
間合いが刀のものから外れた瞬間に左手の拳銃を連射するパールに対し、全ての弾丸を弾きつつ左手に持ったワイヤーガンを構える。
(なんだ?あれは本来両手に装備する移動用の装備普段は刀しまってから使うのに........)
パールが疑問を抱くとその答えはすぐにわかった。
チェッキーの持った銃から放たれた弾丸はパールの予想とは違うものだった。
2人を挟むように立つビルの側面に2発着弾するとその着弾地点を繋ぐようにワイヤーが貼られた。
名無し:トラップガンかー
名無し:そりゃ知らんか
名無し:最近追加された弾種だしパールのランク帯で使える人いないだろうし.....
(おそらくこれは俺が居ない時に追加された銃か弾だろう。ワイヤーということは弾性があるため跳ねてくるつもりか)
そう身構えたパールの予想通り10数発ワイヤーガンを乱射したチェッキーは突っ込んできた。
牽制のために拳銃を撃つパールだが今度はワイヤーを使った体捌きだけで避けてしまう。
(まずいこのまま突っ込まれるとこっちが不利に.....!!)
一瞬で判断を下したパールは逆にチェッキーに向けてダッシュする。
その姿を見たチェッキーのアバターはまるで笑っているかのようで........




