表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/215

第百九十話 ルバートの騎士道

女神の話はこうだった。


先ほどラヴィ、イルソーレ、ラルーナの三人に切り()かれ――。


もしや神である自分とまともにやりあえる相手がいるのかもしれない。


それならば余興(よきょう)の一つとして、自分と戦うチャンスをやろうと言うのだ。


「それよりも何故(みな)宝石(ほうせき)と変わったのだ!?」


ルバートが頭上(ずじょう)にいる女神へ怒鳴(どな)(たず)ねた。


すでに彼の(そば)いるラヴィ、イルソーレ、ラルーナ以外(いがい)――。


戦場(せんじょう)にいたすべての者が宝石へと変わってしまっていた。


訊ねられた女神は、実に不可解(ふかかい)そうな顔をしていた。


ルバートに向かって、そんなこともわからないのかと言いたそうだ。


「だって、(あき)らかに(ちから)のない者と戦っても時間の無駄(むだ)でしょう?」


女神は大きくため(いき)をつくと、うんざりした顔をして説明(せつめい)を始めた。


(とな)えた魔法は、その者の武力と魔力を(はか)るためのものである。


地面(じめん)からルバートたちを(おお)っている魔法陣は、女神と戦う資格(しかく)がないと判断(はんだん)された者を宝石へと変えるための結界(けっかい)


そしてこの結界内にいる者がもう女神と戦えないと判断されると、魔法陣によってその者も宝石へと姿が変わる仕組(しく)みなのだと言う。


だが、即死(そくし)一瞬(いっしゅん)消滅(しょうめつ)された者は、宝石へと変わることなく死ぬとも。


「あとついでに言うとね。その宝石はどんな鉱物(こうぶつ)よりも(かた)いから、武器で攻撃しようが魔法を使おうがダメージを受けることはないわ。(よろこ)んで、私からのせめてもの慈悲(じひ)よ」


「そうか……。なら、宝石にされた者が死ぬことはないんだな」


「ええ、少なくと私が世界を(ほろ)ぼすまではね」


ルバートは女神の言葉を聞くと、突然ラヴィの(くび)に向かって手刀(しゅとう)()り落とす。


ラヴィは一体何が起きたのかわからないまま意識(いしき)(うしな)い、ルバートの腕の中でその身を宝石へと変えた。


「なにやってんだよ兄貴(あにき)!?」


「そうだよ! ラヴィ姉さんに手を出すなんて……ッ!? もしかして兄貴は……ッ!」


大声をあげるイルソーレに続いてラルーナも(さけ)んだが、彼女はルバート何故ラヴィを気絶(きぜつ)されたのかを理解(りかい)した。


ルバートが、もうこれ以上彼女に傷ついてもらいたくなかったのだいうことを。


ラヴィは先ほどまでたった一人で灰色(はいいろ)の軍を相手にしていたのだ。


彼女がいくら強いとはいっても体はもう限界(げんかい)に近いはず。


それに(よわ)っているならふとした瞬間に体勢(たいせい)(くず)れ、その(すき)()かれて即死する可能性(かのうせい)確実(かくじつ)に上がる。


ならばたとえ(きら)われようとも、彼女の安全を第一に考える。


それがルバートの考えだった。


ラルーナはルバートそうなのだろうと訊ねた。


イルソーレは納得(なっとく)いっていなさそうだったが、その内心(ないしん)で実にルバートらしいと思っていた。


訊ねられたルバートは何も言わずに、(こし)()びた剣を()く。


先ほど、女神を前にして恐怖を感じていた人物とは同じとは思えないほどの剣気(けんき)(はな)ちだす。


「彼女……ラヴィを(まも)る……。それが私の騎士道(きしどう)だ」


そして剣を前へと()き出し、女神へと向ける。


「なら、その道に俺らもお供させてもらいます!」


「あたしらのことは気絶させないでくださいよ!」


女神へと向かい合ったルバートの横に――。


イルソーレとラルーナも(なら)び立った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ