表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/215

第百六十六話 再会

――数日前。


ソニックが(ねこ)獣人(じゅうじん)トロイアと共に武道家(ぶどうか)の里ストロンゲスト·ロードにたどり着いたとき――。


彼はそこで、よく知っている面々(めんめん)と顔を合わせた。


ライト王国の暴力(ぼうりょく)メイドであるラヴィ·コルダスト。


ストロンゲスト·ロードの大魔導士(だいまどうし)目指(めざ)す武道家リム·チャイグリッシュ。


海の国マリン·クルーシブルの吟遊騎士(ぎんゆうきし)ルバート・フォルテッシや、彼につき(したが)うダークエルフのイルソーレと人狼(ワーウルフ)のラルーナ。


さらに、まだ旅に出たばかりの(ころ)に出会った――。


(たよ)りなさそうな冒険者(ぼうけんしゃ)リョウタと、その相棒(あいぼう)で、着地(ちゃくち)もまともにできないのに飛翔(ひしょう)したがる竜騎士(りゅうきし)レヴィ·コルダストなど――。


ビクニがいたらまるで同窓会(どうそうかい)とでも言いそうな――これまでの彼らの道で出会った者たちである。


ソニックはここへ来れば誰かしらには会えると思っていたのだが、まさかこれほど知っている者がそろっているとは思ってもみなかった。


「お前も無事だったんだな」


「よかったのですよ」


レヴィとリムがソニックの顔を見て、別れてからずっと気にしていたことを伝えた。


一方トロイアのほうはラルーナに連れて行かれ、(たが)い何か言い合いながらも(うれ)しそうに話している。


それからレヴィとリムは、ソニックにビクニはどうしたのかを訊ねた。


「まず……こっちのことを聞かせてくれ」


(たず)ねられたソニックは反対に訊き返した。


そんなソニックの態度(たいど)に、レヴィとリムは少し不満(ふまん)そうな顔をしたが、ラヴィが彼女たちに代わって現在(げんざい)状況(じょうきょう)を説明した。


突然(あらわ)れた聖騎士(せいきし)リンリとバハムートによって、愚者(ぐしゃ)の大地からこちら側にある国の多くは制圧(せいあつ)された。


それから聖騎士は姿(すがた)を消し、残されたバハムートはライト王国周辺(しゅうへん)をうろつき回っていたようだ。


だが、ラヴィたちはなんとかバハムートを(たお)すことに成功(せいこう)したと言う。


その話を聞いたソニックは驚愕(きょうがく)した。


何故ならばバハムートは幻獣(げんじゅう)の中でも最強(さいきょう)(ほこ)るからだ。


今まで何人もの屈強(くっきょう)吸血鬼族(きゅけつきぞく)(いど)んでも勝てなかった幻獣を――。


たかが数人の人間と亜人(あじん)で倒したのかと、両目(りょうめ)を大きく開いている。


「奴は神を超える(ちから)でないと倒せないと、親父が言っていたんだがな」


ソニックの父親は吸血鬼族の王――ラヴブラット。


今は()き父の顔を思い出しながら、ソニックはそう(つぶや)いた。


「神を超える力か……。もしかしたら、あいつにはそのぐらいの力があるのかもしれないな」


レヴィがそう言葉を返すと、突然顔を赤らめる。


そして、どうやってバハムートを倒したのかを話は始めた。


ラヴィ、ルバート、イルソーレ、ラルーナに動きを止めてもらい、リョウタと自分――レヴィをリムに()りあげてもらい、さらに聖なる波動(オーラ)のを放って、その(いきお)いでバハムートの頭上(ずじょう)へと跳躍(ちょうやく)


そしてリョウタの持つ魔力をレヴィの(やり)へと(うつ)し、バハムートを(つらぬ)いて仕留(しと)めた。


「神……ああ、神をも超える私たちの(きずな)が……愛が……伝説の幻獣を打ち倒したのだな」


レヴィは何故か()れながら、意味不明(いみふめい)な言葉を続けていた。


その場にいた全員が、興奮気味(こうふんぎみ)の彼女を見て(あき)れている。


「ああ、だがこれは(まぎ)れもない事実……。そんな神を超えてしまうなんて私は……私は……私はッ!」


「おい、飛ぶなよ」


リョウタは、今にも跳躍しそうなレヴィを止める。


すると、彼女は大慌てで両手を振り始めた。


まるでそんなつもりは一切(いっさい)ないと言いたげに。


「な、なにを言うのだリョウタ!? 私がいつ飛ぼうとした!?」


「今だよ。てゆ―か、いつもそうじゃねえか」


「お、お前という奴はいつだって私のことをッ、くぅぅぅん~!」


そして、リョウタに止められたレヴィはさらに興奮し、その身を(もだ)えさせていた。


それを見た全員が(ふたた)び呆れていたが、誰もが笑みも浮かべている。


「で、あれは放っておいて、ビクニことを聞きたいんすけど」


「そうなのです。早く教えてください!」


興奮し出したレヴィの影響(えいきょう)で、周りが(さわ)がしくなっている中――。


ラヴィとリムは、ソニックからビクニに起きたことを聞いて言葉を(うしな)うのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ