漫才:課金
ついさっきアニメと連動した企画だと知りました
今まで新人芸人向けのネタ募集かと思い、実在の芸人をイメージしたネタを作っていました(千鳥多め)
しかし勘違いしたままなのも癪なので新作を書きました
個人的に時事ネタの方が圧倒的に笑いがとれると思っていますが、固有名詞出まくりでアニメ向けではないので、これからはオタク受けしそうなネタを中心にしたいと思います
――舞台両袖からツッコミ、ボケそれぞれ登場
――ボケ、大分調子が悪そうな顔をする
ボケ「はー……」
ツッコミ「顔色悪いじゃん。どうしたの?」
ボケ「いや、最近生活がかつかつで。もうここ最近空想もやししか食べてなくて……」
ツッコミ「なんだよ空想もやしって」
ボケ「俺の頭の中にだけ存在するもやしで、それを食べた空想をすることで空想カロリーを摂取し、そこから空想エネルギーを発生させる夢のようなシステム」
ツッコミ「実質断食じゃねーか! 本当にただの夢だよ! ていうかもやしぐらい買えよ!」
ボケ「いや、もう本当に金がなくて……。金が入ると同時に課金しちゃうんだよね」
ツッコミ「あー、はいはい、お前は重度の課金者というわけね。最近社会問題にもなってるな。借金してまで課金したり」
ボケ「ああ。俺もあと少しでそういう状況に陥りそうになったよ。借金の手前の錬金の時点で踏みとどまったけど」
ツッコミ「借金と錬金は全くの別もんだよ! ていうか錬金っていったい何だよ!?」
ボケ「いや、普通に石から金を作ろうとしただけだけど……」
ツッコミ「それが本当に出来たらいくら課金しても大金持ちだよ! そんなつまらないことしてる暇があったらバイトしろ。少なくともそれでゲームする時間も無くなるから」
ボケ「そうだよなあ、バイトしかないよな。スマホをタップしたりスライドしてガチャを引くバイト」
ツッコミ「それはただ遊んでるだけだろ! ていうかどんなゲームにそこまではまってるんだ?」
ボケ「グランドアイドルブルーモンスターGO」
ツッコミ「また色々ごちゃ混ぜにしたような、ツッコミづらいタイトルだな……。それで、どんなゲームなんだ?」
ボケ「まず最初にアイドルを召喚するんだ」
ツッコミ「ふんふん」
ボケ「ただ最初は自分のオカンしか召喚出来ないんだよな……」
ツッコミ「本当にどんなゲームだ! お前のオカンはアイドルか!?」
ボケ「いや、ただの専業主婦だけど。ちなみに俺のオカン幸子って言うんだけど、体力は高いん分知力が低くて……。あと特殊スキルの「巧妙に旦那を弱らす」が地味に怖い。何か最近オヤジの体調が悪い気がするし……」
ツッコミ「警察沙汰だよ! ていうかなんでそこまでお前の母親のこと知られてるんだよ」
ボケ「ああ、それは登録の時に色々聞かれたからだろう。住所、氏名、年齢、職業、既往歴、世帯収入、ペットの名前、貯蓄額、初キッスの年齢とか……」
ツッコミ「どんだけ聞くんだよ! 何かそこまで個人情報抜かれると、悪いことに利用されてる気がするな……」
ボケ「そんなことはないと思うぞ。ダイレクトメールが1日100通ぐらい来て、「情報が漏れています」って指摘してくれるぐらいだし。あと「お寺は間に合ってますか?」ってアフターサービスもしてくれるぜ」
ツッコミ「明らかに個人情報漏れてるだろそれ! 最悪だなそのゲーム会社。そんな思いまでして、いったい何をするゲームなんだ?」
ボケ「召喚したアイドルを肉弾戦でドラゴンみたいなモンスターと戦わせ、世界の破滅を阻止するゲーム」
ツッコミ「わざわざアイドルを召喚する必要性が感じられない」
ボケ「でも無料ガチャだと、そもそも人間を召喚すること自体難しいだよ」
ツッコミ「逆にモンスター召喚とかの方が有効だと思うが、たとえばどんなの?」
ボケ「ノミ」
ツッコミ「ノミ!? あのペットに良くつく!?」
ボケ「そのノミ。ノミのみ」
ツッコミ「上手いこと言ったつもりか! どうやってノミがモンスターと戦うんだよ!」
ボケ「知恵を絞って1匹で上手い具合に。愛と勇気だけが友達だから……」
ツッコミ「哀しいノミだな! どっかの正義の味方も同じ境遇な気がするけど!」
ボケ「アイドルにしてもまずモンスターには勝てないから、まあノミと大差ないんだけどな」
ツッコミ「召喚する意味! それはもうクリアー不可能なんじゃないか?」
ボケ「いや、クリアー自体は簡単なんだよ。最初のオカンが滅茶苦茶強いから」
ツッコミ「なぜオカンが」
ボケ「最初の登録の時に、腕が千本あって1撃で富士山を破壊出来るって書いたからかな。設定ちょっと盛ったせいで、体力の方がやたら強いキャラクターになったけど」
ツッコミ「ちょっとってレベルじゃねーだろ! そりゃ知力と比べて体力も高くなるわ! ていうかさっきのダイレクトメールのお寺って、千手観音と間違われてるんじゃねえのか!?」
ボケ「そういえば調子に乗って、名前も幸千手観音子と登録した気が……」
ツッコミ「お前もお前で大概だな! もういいわ!」
――了――