魔王国作ってみる?
前回のあらすじ マキでお願いします
「ちょっと待て、何で俺が魔王国を作るんだよ?!魔王国って魔王が作るから魔王国なんじゃねぇの?」
「違う。魔物や魔人のいる国の王が魔王なのじゃ。ちなみに我が魔王を名乗れるのは小さいながらもまだ国の長だからじゃ。我が王国の広さは東京ドームでだいたい1個分の広さじゃ。」
「小っちゃ!それと東京ドームって例えをだしちゃダメじゃん!世界観違うじゃん!」
「ともかくおんしが新しい魔王国を作って、荒ぶる魔人や獣人、魔物をまとめて管理すれば周辺の国も治安が良くなり平和な世の中が生まれるはずじゃ」
「なんだよそれ。牢屋の番人じゃあるまいし。お前がやれよ、お前がやれば領土を拡張するだけでいいんだから」
「我にはできん」
「なんでだよ」
「あがり症だからじゃ」
「ん?何言ってんの?理解できないんですけど」
「じゃから、大勢を前にすると緊張しちゃってしゃべれなくなるから国を大きくするのは嫌なのじゃ!」
「てめぇ・・・、ふざけるつもりか?そっちがその気なら俺もふざけるぞ!」
「いや、我はふざけてないからおんしもふざけないでくれ。我は本当にあがり症なのじゃ。具体的には10人以上を前にすると手のひらに『魔人』って書いても緊張がとれん」
「そこは基本どおり『人』でいいよね?!というか10人って少なすぎだろ?」
「ともかく我は国を大きくするのは嫌なのじゃ!そしてもっと平和な世界に生きたいのじゃ!夜でも一人でコンビニに買い物にいける世界に戻りたいのじゃ!ついでにおでんも食べたいのじゃ!」
「あー気持ちは分かる。俺も昨晩立ちションしてたらオオカミに足を噛まれてさ、おしっこが足にひっかかっちゃたよ。平和な世の中が懐かしいよね」
「普通おしっこの前に噛まれたほうを気にするよね?
そして我に同意してもらったところでなんなんだが、我はおんしに同意する気はない」
「なんだよ、せっかく話が合ったのに。KYだよな」
「まさかおんしに言われるとは!我ショック!!あれ?何の話をしてたんだっけ?」
「コンビニをこの世界に作るって話。『異世界コンビニ』かぁ、どんな話になるんだろうね。次作が楽しみだね!」
「そんな小説もあるような気がするけど今はそこを広げる気がないぞ。平和な世の中を作ろうって話じゃ。何、おんしに任せっきりにするとは言っとらん。我も手伝う」
「面倒臭せー。俺以外に誰かいないの?」
「いない」
「どうしてもいないの?」
「いない」
「・・・即答はできないな。まぁ考えておくよ」
「そうじゃの。考えがまとまったらまたやってくるが良い。待っておるぞ」
「今の俺の気分は『定年退職後でやる気をなくしていたところ、ボランティアの再就職を進められている』って感じだな」
「さっきまで意気揚々と魔王討伐をうたっていた勇者が今や退職後の心境か。
まぁおんしの心境は我にはどうでもいい。とりあえず帰ってゆっくり考えてこい」




