魔王討伐達成
前回のあらすじ その時歴史は動いた!
「ふふっ、どうじゃ驚いたじゃろう?」
「(んがぁ、ふにゅ・・・じゅる)」
「って寝てるの?驚いたわ!こっちが驚いたわい!」
「ん?話はオワタ?」
「オワタなのはおんしじゃ!なんで自分に関わる大事な話を聞いている最中に寝れるんじゃ!全く気にならないのか?」
「あ、俺ってなにか関係してた?ごめん気付かなくて。いやー、昨日はあまり寝れなくってさ」
「ふぅ、まぁ魔王城に突入する前夜じゃからの、緊張して眠れなかったんじゃな。その気持ちもわからんでもない。どなってしまって申し訳なかったのぅ」
「いや、謝るほどのことでもないぞ。寝不足の理由はな、昨日の夜に借りた部屋で『ドキッ!獣人最新シッポカタログ。今キテるセクシーシッポはこれだ!!』ていう雑誌が置いてあってな。これが結構エロくてびっくりだわ。最後のページまで思わず熟読しちゃったよ。いやぁ、借りてくればよかったなぁ」
「リラックスしすぎじゃ!この馬鹿もんが!!!
・・・ふぅ、ふぅ、まぁよい。でどこまで覚えとるんじゃ?」
「いや、全ページはっきりと覚えてるよ!?牛のシッポも見方を変えるとグッとくるもんがあるよね」
「違うわーーー!!!!!我の話をどこまで聞いて、どこまで覚えているのかってことじゃーーーー!!」
「あ、ごめん。えーーと・・・、『むかーし、むかしあるところに魔王国があったそうじゃ』ってところまでかな?」
「言っとらん、言っとらんよ!そんなふうには!?
・・・もういいわい。つっこみ疲れた」
「ごめん、今度はちゃんと聞くからさ。だから3行でまとめてね」
「・・・
勇者召喚は今や全世界で禁止されています。
だから召喚された勇者はその行動に限らず迫害されます。
やーい、ばーか、ばーか」
「・・・」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「とりあえず戦うか?」
「・・・いい、もう気分が乗らない。帰る」
「最初はグー、じゃんけんぽい」(グー)
「あ?」(パー)
「ギャー負けたー、勇者の勝ちじゃー(棒読み)」
「おい、なんだよそれ、突然すぎて訳がわからないぞ」
「何であろうと勇者として召喚されたからには魔王を倒す衝動を抑えきれないはずじゃ。このまま帰してもどうせまた戦闘衝動でこの城へ帰ってくることになる。じゃから形だけとはいえ我は負け、おんしに勝たせたんじゃ」
「そんなことでどうにかなるなら苦労はないだろうが、いい加減すぎるだろ」
「でもちょっとスッキリしとらんか?」
「言われてみればちょっとスッキリしたかな?あれ?不思議な達成感が・・・。何かいい気分だぞ?」
「ふふふ、これでおんしは勇者としての義務から解放されたはずじゃ。これからは自由に生きられるぞ」
「いきなりそんなことを言われても・・・。あまりに突然すぎて何がなんだか」
「それではやっと当初の目的通り、話し合いができるの。おんし、勇者としてではなく、一個人としてこの世界を救ってはみんか?」
「どういうことだ?」
「何、簡単なことじゃ。おんしが魔王国を作るんじゃ!」