旅立ちの後に
前回のあらすじ 俺、行きたくない・・・(オオカミ談)
「団長、やっと海にでましたね。いやぁ、ここまで長かったですね」
「あぁ、だが本当の調査はここからだ。気を引き締めていくぞ。今日は本格的に調査するためのベースキャンプ地を決めて設営する。A班はキャンプ地候補を探し報告すること。その後周辺の警戒および飲み水の確保。B班は夕食の準備を済ませたのちキャンプ設営だ。
この周辺の魔物の生息状況は把握していない。ここまでの疲労はあろうがが気を抜くことなく行動すること」
「「「「はい」」」」
「団長、せっかく海に来たんですから魚か貝でも食べたいですね」
「私は海の魚を食べたことはない。お前は魚の種類や料理方法に詳しいのか?」
「いや、俺も食べたことはありませんけどね。焼けば大概のものは食べられるんじゃありませんか?」
「お前があまり魚に詳しくないのだったらやめておいたほうがいいかもな。私はもともと魚にあまりいい印象を持っていない。私の故郷では沼と小川しかなかったからおいしいと思える魚に出会ったことはないのだ。それに欲をかいて万が一、毒にでもあたったら目も当てられんぞ」
「そうですけどね。そろそろジャーキー以外の肉も食べたくて。しょうがない、調査中においしそうな鹿でもいないか探しますか」
「確かに食事は士気に関わる。あくまで安全を確保の上でだが猟ができるよう考えよう。ここでの調査はおそらく期間が長く掛かる。野草や果物も探さないと」
「おっと、さっそくA班の報告が帰ってきたみたいですな」
「A班から報告です。ここより東にキャンプ設営に適していると思われる視野の開けた場所がありました。片側が海に接する崖となっているため退路が狭まりますが森まで距離がありますので急襲には備えられると思われます。他の目立った障害物もありません。ご確認をお願いいたします」
「わかった確認にいこう」
「ここか。うむよかろう。全員注目!先ほどの場所で夕食を済ませたのちここにベースキャンプを設営する。各自準備にかかること」
「団長、あの向こうに見えるのは果物の木じゃないですか?おそらくブドウじゃないかと」
「ほう。それなら楽しみなのだがな。ではお前に毒見をしてもらったら私も食べよう」
「団長、ひどいなぁ。でもここが条件の一つに当てはまったていたら嬉しいんですけどね」
「そうだな。『ブドウ』『浜辺』『洞窟』『沖の三角岩』が予言の言葉だからな。そのうちの一つがいきなり見つかったのだとしたら思わぬ幸運だな」
「はい早く見つけて王都に帰りたいですからね。でもその前に予言が当たっているって前提が覆されたら溜まりませんけどね」
「ここまで来ておいて疑ってもしょうがないだろう。我々はあくまで予言を信じて探すまでだ」
「そうですね。よーしがんばって伝説の魔剣をさがすぞー!やったるぞーーー!!」
「そんなに無理してテンションをあげなくてもいいぞ。どうせ調査は長くなるんだ、力を抜いていこう」




