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勇者?ムリムリ。魔王?まだまマシかな。それでいこう!  作者: ヒロトコ
第二章 ゴブリン改造計画
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聞き込み調査 報告編

前回のあらすじ PKのPは「ピャーとやって」、PKのKは「キュキュっとすませる」。つまり手早く調査をすませることを表しているのですな。私、がんばった。(調査員A談)


あいつは真面目なのはいいけど頭が固いんだよな、それがいいところだけど(上司 談)


※ギックリ腰で休んでました。しばらくぶりなので前回までの流れを忘れちゃったけど、別に構わないよね?だって人間だもの。(作者 談)

「ふんふん、なるほどね。わかった、わかった。出張で疲れたろう?奥さんも待ってるだろうから今日は報告書を書いたら早上がりでいいからね。

あ、お土産?なんだ、そんなに気を使わなくてもいいのに。いやー悪いね。それ、調査費で落としていいから、財務部に領収書だしておいてね。いいんだ、いいんだ、気にしなくっていいから。家族へのお土産もそこに入れちゃっていいからね。俺がサインしておくから書類だけ作っておいてよ。

へー、あの辺は大根の産地なんだね。うんうん、おいしそうだ。今晩いただくよ。部屋に置いておくとちょっと臭うからどっか分かるところに置いておいてね。じゃあこれから陛下のところに報告にいくから。分からないことがあったら呼ぶよ。よろしく」



部下からの報告を受けすぐさま王の執務室へ向かう。陛下からはすでに報告の催促を受けている。

本来であれば受けた情報を関係部署で共有、分析し、今後の行動指針をまとめてから報告すべきだが今回は特別だ。陛下との相談の後に他の部署との会議を行おう。「会議を後回しにした」と抗議を受けるのが分かっているので対応が面倒だが仕方がない。この会議は荒れるだろう、今日は帰るのが遅くなりそうだ。



「陛下、ただいま調査員からの報告を受けました」


「うむ、申してみよ」


「まず結論から申し上げます。勇者は存在している可能性が濃厚なようです。現地では自らを勇者と名乗る成人男性が目撃されていました。また現地の住人と接触していたことも数例確認しました。


領主およびその関係者はやはり行方不明。領主の居住していた館もやはり全焼していたようです。焼け跡には火事の犠牲者は見当たりませんでした。


勇者および領主関係者の行方に関する情報は現地では得られておりません。こちらは調査を継続しています。



ここからは私の推測となります。私は勇者が必ずしも召喚されていないのではないかと思っています。


勇者らしき男が存在したのは確かですが、それが召喚された勇者だったとは言い切れません。


領主の館の焼け跡から成分不明な薬品が多数発見されました。これらはいくつか持ち帰っていますのでできる限り成分を分析します。仮にこれらが人体に影響を及ぼす薬品だとすれば、人体実験の可能性もありえます。肉体改造、精神干渉の薬品の影響を受け、自らを勇者と名乗る実験体を生み出した可能性もあるのです。加えるなら現地で勇者を名乗っていた男性は性的な言動への自制心を失っていたこと、体力的に優れたところを見せていなかったこともこの推測につながります。


あくまで一つの可能性としてですが以下のストーリーを上げさせていただきます。

「領地を経営して数代目の領主には累積した借金が重荷になり始めていた。それを返す手段として人体実験への協力を申し出た。領地はへき地であり、他からの干渉も受けにくい場所。非合法な実験を行うには打ってつけであり、思うままに行動できたのでしょう。しかし成功か失敗か、自らを勇者と名乗る狂人を生み出してしまった。まともな判断力をもつなら自らを勇者と名乗る訳がありません。迫害を受けるに決まっているからです。しかしその男は周辺住民に勇者を吹聴した。この結果に慌てた領主は男性および実験の隠蔽を計った。しかしなにかしらの理由で男性を取り逃がした。せめて実験現場だけでも証拠隠滅しようと自ら館に火を放った」

このような可能性もあり得るのです。


いずれにしても関係者の捜索は継続し、真相を得る必要は残ります。これより関係部署との会議を行い、今後の行動指針をまとめ、改めてご報告に参ります」


「うむ、ご苦労であった。また情報がまとまり次第報告せよ」


「はっ、ではこれにて失礼いたします」



執務室を後にし、長い廊下を歩く。

「はー、なんとか話しがまとまりそうで良かった。「勇者召喚説」はきっちり潰して、「勇者狂人説」を流布すればなんとかなりそうだ。証拠なんて作るもの。さて、現地へ精鋭を派遣していろいろでっち上げなけりゃな。忙しいや。

おっとその前に会議か。まずはあいつらを言いくるめなけりゃな。がんばって早く会議を終わらすぞ!早く家に帰って大根で一杯やらなきゃ。楽しみがあるのはいいことだ」

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