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勇者?ムリムリ。魔王?まだまマシかな。それでいこう!  作者: ヒロトコ
第二章 ゴブリン改造計画
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聞き込み調査 PK戦 ※延長戦でも決着がつかなかったため

前回のあらすじ もし日本で、土手で酒飲んで、お姉ちゃんを見ていると・・・「お巡りさん、この人です!」と通報されるのではないでしょうか?

おばさんの井戸端会議が行われるであろう井戸へ向かい、私は情報収集を行う。


「また一方的なおしゃべりに付き合わなければならないのか・・・」


気乗りしないこんな自分を誤魔化す方法はないだろうか?いや、待て。もともとおばさんに苦手意識なんて持つ理由なんてないはず。おばさんだって人間だ。慣れれば会話が成立するかもしれない。


「私ならできる。私ならできる」


よし、なんだかできそうな気がしてきた。むしろおばさんが多数集まっているとは考えなければ行けるはずだ。そうだカラスが集まっていると考えれば大丈夫だ。カラスが団体でカー、カー鳴いているだけ・・・。だめだ、もっと怖くなってしまった。自己暗示は難しい。




井戸が見えてくる。おばさんの集団も見えてくる。でも大丈夫。何、話を聞くだけだ。大丈夫。


「あの、私は隣町の商人で・・・」


「まぁこの人がナンパしたって人かい?」

「やだよう奥さん、違うったら、照れるじゃないか、もう」

「なかなかカッコイイじゃないか。奥さんもまだまだ現役だねぇ」

「何言ってるんだい。奥さんのほうが肌がツルツルじゃないかい」

「もううまいんだから、大根の漬物食べるかい?」

「奥さんの漬け方は上手だからねぇ、ねぇ、塩はどこの使ってるんだい?」

「ほら、あの行商の子の。毎月くるじゃないの。あの塩は漬物に使いやすいよ」

「なるほどねぇ。ウチは料理用じゃあイマイチだと思ってたけど漬物ならいいねえ」



・・・ダメだった。もうあとはただ聞くだけだ。願わくば勇者と領主の話題がでますように。




2時間後。


頑張った、私、頑張りましたよ!以下重要な情報をダイジャストでお送りします。


「あの子、『今度勇者をやらなくちゃいけないんだ』って言ってたよね。悲劇の主人公なんだからそんなにヘラヘラしてちゃだめだよ、って言ってあげたんだよ」

「勇者って演劇でもやるのかい?主役じゃないか。なかなかやるね。いつやるんだろうねぇ。楽しみだねぇ」


・話題に上った男、ここではAと呼ぼう。Aは自らを勇者と名乗っていたようだ。しかし本物だとは誰も思っていないようだ。


・・・


「領主様の屋敷は今度はどこにできるんだい?前の家はカミナリであれだけ焼けたんだ。同じ場所には作らないだろう?」

「さあねぇ、領主様がどっかに行っちまってるみたいだから分からないねぇ。まさか全員で村から出て行くとは思わなかったよ。これで税金を納めなくてもいいなら最高なんだけどねぇ」

「きっとどこかに行っても税金だけは取り立てるんだろうよ。お役人さまなんてガメツイんだから。一昨年だってベルナルドさんところが誤魔化そうとしてバレちゃったじゃない、あの後酷かったんだから」


・領主一家は村にいないようだ



得た情報は少なかった・・・。しかしゼロでもなかった。もういいよね?どうせ上司はいい加減だから問題はないはずだ。今日で仕事を終えてもう帰ろう。情報が足らないというのなら上司にねつ造してもらえばいいのだから。今回だけじゃないし、大丈夫だろう。

・・・もしかして何かあったら私が責任を取らされるのだろうか?しかし頭が痺れて思考力が落ちているようだ。考えるのが面倒だ。忘れてしまおう。あ、奥さんにお土産買わなくちゃ。また怒られちゃう。これだけはどんなに疲れていても忘れてはいけない。がんばれ、私!


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