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勇者?ムリムリ。魔王?まだまマシかな。それでいこう!  作者: ヒロトコ
第二章 ゴブリン改造計画
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キャサリンの授業日記

前回のあらすじ サメの身はその後、スタッフがおいしくいただきました


私はキャサリン。伸び盛り、育ち盛りの年頃。サカリがつくとはこのことね。お父さんが「サカリがついてネコがうるさい」ってよく言っていたけど今の私のようなことを言うのかしら?私もうるさいって言われないように気を付けなければね。予防できる女、それがキャサリン。ちょっとカッコイイでしょ?


ゲド先生に文字を教えてもらって私の人生は変わったの!これまではいろんなことを思いついたり考えたりしても忘れてしまうばかりだったけど、文字を覚えてからは家の洞窟の壁に記録を付けて忘れないようにしているの。私の貴重な考えが記録される。これはスゴイ!ゴブリン族の発展に貢献しているに違いないわ!いつか私はこう言うの、「探せ!ゴブリンの歴史のすべてをそこへ置いてきた」って。いろんな人に見られちゃうって想像しただけでも興奮しちゃうわ!


毎日壁に記録を書いているのだけどさすがに平らなところが減ってきたわね。それに赤裸々な日記を家族みんな、それに全魔族、全獣人族、全人族その他諸々に見られるのもちょっと恥ずかしいかなって。誰にも見られなければもっと私の秘めた野望とかゲド兄のこととか書けるのに。そんなことを授業の時に相談してみたら「紙とか羊皮紙とかあればなぁ」って言われたの。人族はそれを使っているらしいのね。私もそれ欲しい!ようし、決心した。いつの日か人族の領地を征服して紙と羊皮紙を差し出させるわ。日記のためのはじめの一歩、それは人族地域の侵略ね。今日から筋力トレーニングしなきゃ。あ、でも今日はもう遅いから明日からね!


授業では算数も教わったわ。足し算、引き算、掛け算、割り算。足し算と掛け算は暗記するだけだったから簡単。みんなで問題の出し合いをして覚えたの。足し算は浜辺の端から端まで数字を書いて誰が一番早く足せるか競争したの。私も結構早くなったと思うけどまだまだね。掛け算だと私は二桁と二桁の掛け算までしか暗記できなかった。スゴイ子は三桁ずつの掛け算まで暗記してるの。すごいよね!でもゲド兄はそこまで覚えなくてもいいんじゃない?って言ってた。言われてみればただの暗記だしね。それより今教わっている2次関数と三角関数のほうがおもしろいわ。今や砂浜はみんなが問題を解いていく数字でいっぱい。早く行って場所取りしないと場所が足らなくて計算式が途中までで書けなくなっちゃうの。

算数の次は物理の授業を始めるんだって。何をやるのか今から楽しみ!


そうそう、この前ゴブリン村の長さの基準を決めようってことになったの。三角関数を使って地図を作りたいって子が出てきたので、みんなで使う同じ基準を作ろうって理由で。「時間が経っても変わりづらいものがないかな」ってゲド兄に聞かれたから「洞窟の奥に剣がささってるからそれはどうかな?」って答えたの。これを基準にしようって言われて嬉しかったわ!その剣の長さを1ゴンメートルって名付けたの。最初は1ゴブメートルって決まりそうになったけど、女の子の名前も入れてほしかったからリンのンを入れて1ゴン。基準が決まったから面積も体積も出せるようになって算数がもっと面白くなったの!長さを特定した後にゲド兄が「基準を守るためにこの剣は触れられないようにするよ」と言って入り口にフタをしたわ。なるほど、後々のことまで考えてるゲド兄ってスゴイ!人族にしておくのがもったいないわ。いつかゴブリンにする(まじな)いを見つけてあげるからね。その時まで待っててね!


毎日の授業は楽しいけどゲド兄の顔色が最近優れないの。授業開始前になると胃が痛いっていってたわ。なんでかしら?こんなに授業は楽しいのに。もっといろいろ教えて欲しい。質問をいっぱい用意していくからゲド兄も楽しみにしていてね!

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