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勇者?ムリムリ。魔王?まだまマシかな。それでいこう!  作者: ヒロトコ
第二章 ゴブリン改造計画
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豊富な漁場

前回のあらすじ 確かオシッコがどうとかこうとか

「なぁゲド、あのオオカミがまだ寝ころんだままだけど生きてるのか?」


「大丈夫だろ。さっきまで気持ち良さそうにお腹を撫でられていたからな。もしかして気持ち良すぎて昇天しちゃったかな?」


「そうかなぁ、俺には怯えてた風にしか見えなかったけど。案外気絶してるんじゃないかな」


「そんなことないって。俺たちは友達になったんだよ。あいつとは前に会ったことがあるんだけどさ、初めてあった時から甘噛みしてくるくらい甘えん坊なんだよ。怯えるなんてあるわけないさ。今日はいい天気だし、昼寝し始めたのかもな」


「まぁいいけど。慣れたからって村の中に連れてくるなよ。みんな驚くからな」


「驚くのか?てっきり見慣れてるかと思ってた。うん注意しよう。ちゃんと同意をとってからにするよ」


「連れてくる気満々だな。オオカミは肉食なんだよ。俺たちが襲われる危険も考えてくれよ」


「じゃあゴブリンよりおいしいものを腹いっぱい食べさせれば襲わないだろ。おいしい魚をいっぱいあげたら大丈夫っぽいな。参考になったよ。ん?ゴブリンのほうが魚よりおいしかったらダメかな?魚をおいしくするかゴブリンを不味くするか、それが問題だ」


「・・・何やら怖いこと言ってるな。オオカミの件はせめて長老の許可はとってくれよ。俺は絶対許可しないぞ」


「長老ね、了解。そういえば村長の子供のキャサリンが授業に来てるけど、長老と村長はどっちが偉いの?」


「本当は村長がまとめ役なんだけど。村長は『ロマンを探しに行く』って旅に出たって噂だ。本当かどうかわからないんだけど。第一ロマンって何だよって話だよな」


「ロマン、いいじゃないか。俺の前に住んでいたところではかつて『○活ロマンポ○ノ」ってのがあって、それはそれはロマンが溢れた時代があったんだよ。でもそれも途絶えてしまった。ロマンとは儚いが憧れるものなんだよ、村長の気持ち、分かるなぁ」


「お前はすぐそっちに話がいくんだな。本当に旅にでたのかどうかはわからないんだぞ、夫婦喧嘩で追い出されたって噂もある。キャサリンも父親がいなくなったのに悲しんでないからな。追い出されたのが実情だと思う。あそこの母ちゃんは強いからなぁ」


「複雑だなぁ。よそ者は触れないほうがいいな。聞かなかったことにしておこう」





「さあて、オオカミちゃんのエサをとろうかな。貝は腹がいっぱいになるほど採るのは大変だし、ブドウはほっといても自分で食べるよな。やっぱりここは魚だな。でも船はないし、網もないし、釣り糸もない。素潜りで・・・は無理。じゃ、あれしかないか」


近くに人がいないことを確認。念のため気配探知でゴブリンがいないことを確かめる。・・・何やら岩陰に気配があるようだ。しかも二人分。む、これはアレだな。けしからん!こんな真昼間からアレとはハレンチな!水をかければ離れるだろう、犬にも効くし。「水魔法、小雨」 ムム?気付かないのか?それとも肌が濡れて逆に燃え上がったのか?なかなかやるじゃないか。あ、やるっていってもイヤラシイ意味じゃないんだからね!いや、この場合はイヤラシイで合ってるか。まぁいいや、浜辺から離れてるから問題ないだろう。


ちょっと沖合に三角岩が見える。目印はあれでいいかな。弱めに、弱めに、もっと弱めにと心掛け魔法を使う。「雷魔法、落雷」  ガガガガ!想像の10倍くらいの音と光が岩に突き刺さる。ああ、岩が砕けてしまった・・・。長老に怒られるかなぁ・・・。まぁいいや。多分寿命だったんだよ。俺のせいじゃない。

海のほうは、と。よし思った通り。そう思った通りなんだ。あたり一面魚がプカリと浮かんでいる。これは思った通り。ただ数が多すぎる。一体何千匹いるんだ?海面が魚だらけじゃないか!このあたりはこんなに生命にあふれた場所だったんだなぁ。貝だけが多いんじゃないってのがわかったよ。

思った通りじゃないことも他にある。まずあそこに浮かんでるのは多分マーマンだよな。人とも魚とも言えない姿をしてる。よく見れば銛ももってる。しびれても銛だけは離さないのはお見事。3人か。死んでなければいいなぁ。

もうちょっと沖にはサメっぽいのが浮かんでる。これはサメで間違いないだろう。これは死んでて欲しいなぁ。そうなら俺がすり身にして食べたいんだが。オオカミのエサもこれがいいかな?これならお腹いっぱいになるだろう。しかしこっちも数十匹か・・・。このあたりの生態系が変わるかもな。これは俺が彼らに代わって生態系上位者になるしかない。これからせっせと魚を捕るぞ!

サメが死んでるかどうかはすぐにわかる。俺が触って収納魔法で収納できれば死んでる、できなければ生きてる。さて泳ぎ回ってひたすら収納するぞ!



俺って貧乏性だな。一匹残らず収納したよ。回収中に沈んでたのは見逃したけど。マーマンはみんな気絶してるだけだった。良かった。彼らはそのまま波にまかせて流れていった。またねー、元気でねーー。

サメは半分生きてて、半分死んでた。生きてる子は全員殴ってトドメをさしちゃった、エヘッ!


もう夕暮れ時かぁ、今日は頑張ったなぁ。高台の岩に登って夕焼けを眺めたら今日は帰ろう。キレイな夕焼けだなぁ。この景色はどの世界でも変わらないんだろうなぁ。夕日は人を穏やかに、物思いふけさせる。だからだろうか、岩に登っている途中の物陰で二人のゴブリンを見かけた。彼らも俺と同じ気持ちで夕日を見ているのだろう。そうだ、そうに違いない。ちなみにだが、たとえ白目をむいて仰向けで倒れていたとしても、彼らの周りが濡れていたとしても俺とは関係ない。感電?そんなはずはない。ないったらない!


俺はたまたま落雷のあった浜辺にいて、たまたま魚が浮いているのを見かけて、たまたま収穫できた運のいい男なんだ。今日はそういう幸運な日でした。






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