果物見にいってみた
前回のあらすじ 50音と言ったのに、48音しかないとゴブリンにツッコまれました
「ゴブバチョフ、この前さ、ブドウの他に果物があるっていってたよね。それどこ?」
「あぁ、それなら丘の上だよ。案内してやるよ」
「いいのか?頼むな」
「ところでさ、貝もそうだけどブドウもそのままで食べるのか?加工はしないの?」
「加工?貝もブドウもそのまま食べるのが最高においしいじゃないか。なんで加工しなきゃいけないのさ。加工ってアレだろ、潰して食べたり、ひねって食べたり、伸ばして食べたりだろ。お前変わったこと聞くなあ」
「俺はここ数日でゴブリンは賢いって関心してたんだけどな。お前の話を聞いて考え直すことにしたよ」
「え、何で!」
「加工ってのはな、火で焼くとか、ゆでるとか、煮るとかだよ。したことないのか?」
「焼くってのは知ってるけど、ゆでる、煮るっての見たことないな。なんだそれ」
「そうか、分かってきたぞ。この村で火を使うことはあるか?」
「火って言葉は知ってるけど、まだ見たことはないぞ。長老なら見たことはあると思う」
「そうか、うんうん。分かってきたぞ。俺はひらがなを教える前に料理を教えるべきだったんだな」
「ばかにするな、料理なら知ってるぞ。ブドウを潰して飲んでるからな。料理好きな女はいいよな。実はミポリンもな、あのスタイルで料理も好きでさ、この前なんか・・・」「勘違いしてるから言っておくぞ」「何?ミポリンのスタイルに文句があるのか?お前はさ、前にも言ってたけどスタイ・・・」「うるせーー!聞け!」
「料理ってのは基本的に味を変えることを言うんだ。基本は火を使うことだな。だから火を使ったことがないゴブリン達は料理はしていません、以上」
「別にいいよ料理なんて。ミポリンはスタイルがいいからそれだけで十分だ。それに優しいしさ。この前だって・・・」「うるせーー!!」
「なんでここまで来てバカップルにあてられなけりゃいけないんだ。で、そろそろじゃないか?」
「おお、あれだよ。濃い色のほうがブドウで、近くにある薄い緑のほうが油っぽいヤツだ」
「ちょっとカジってみるか。・・・渋いな。まずくはない。隣の黒いのは・・・ちょっとましかな。うん、たぶんこれオリーブだな。前の世界では生のオリーブなんてオシャレなものを食べたことはないから確信はないけど。なぁこれ俺がとっていってもいいかな?」
「オリーブってのか?まぁ誰もとらないしいくらでも取っていいんじゃないか?少なくとも俺は構わない」
「ふふふ、ちょっと見えてきたぞ。これで料理ができるぞ。料理王に俺はなる!」
「盛り上がってるところ悪いんだけど、逃げないか?なぁあの狼がこっち見てるような・・・」




