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勇者?ムリムリ。魔王?まだまマシかな。それでいこう!  作者: ヒロトコ
第二章 ゴブリン改造計画
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我がゴブリン村

前回のあらすじ めざせ異世界学園もの!

「なぁ、ゴブバチョフ。そういえば不思議に思ってたんだけど、ここの貝って採っても採っても減らないよな。何でだ?この貝の名前って何て言うか知ってる?」


「あぁ、貝な。そうなんだよなぁ、俺達がここに住むようになってまだ数代目らしいんだけど、貝が採れにくくなったって一度もないらしいんだよ。村の人数も結構増えてきたのに。不思議だよな。毎日食べてるけど誰も種類も名前も分からないと思うぞ。俺達の間では貝ってだけで通じるしな」


「そういえば貝と果物だけ食べて暮らしてるって言ってたな。みんなそうなのか?」


「貝はみんな毎日食べてるんじゃないかな?お腹がすいたらそれぞれが浜辺に行くよ。果物は俺はたまに食べるくらいだな。女だと毎日のように果物を食べてるやつもいるみたいだ。女は甘いものが好きだからな」


「それはどんな果物なんだ?」


「ブドウだよ。これも食べきれないほど実をつけるんだぜ。シワシワになると甘くておいしいんだ」


「果物も一種類だけなのか」


「他にもいろいろあるんだけどおいしいのはそれだけだな。やたら油っぽい実はブドウ以上に生えてるぞ」


「それちょっと興味があるな。今度それが生えてるところを教えてくれよ」


「いいけど。あまりうまくないぞ?貝のほうがおいしい」


「せっかく海があるのに魚は食べないのか?」


「手で捕まえられないじゃないか。それに前に磯に打ち上げられてるのを食べたことはあるけど、ウロコが口に残ってマズイ」


「なるほど。生活に変化がないのは良くも悪くも貝のせいなのか。これはいろいろ考えておかないとやっかいなことになるかも」


「なんだよやっかいなことって。不吉なこというなよ」


「まぁそれはおいておくとして。食べ物がこんなに豊富にある村って珍しいよな。他の種族が入ってきたりしないのか?」


「いまのところないかな?たまに狼みたいなのが顔をだすけど、ブドウを食べて帰っていくよ」


「天敵らしいものもいないか。本当に幸せな村だな。ということはますます俺の授業が大事になってくるぞ」


「どういうことだ?」


「これだけ危機感のない村だと、一度狙われたら簡単に全滅するってことさ。貝に万が一のことがあってもな。そうならないようにするのにはどう村を守ればいいか俺がヒントをあげるんだ」


「確かにこれだけ恵まれた村だ。狙ってくるものがいつ来てもおかしくない。警戒はしておいたほうがいいのか。実際お前も来たしな。食べ物がなくなることは考えにくいけどな」


「そうそう。別に何もなければそれにこしたことはない。ただ用心は大事だよ。

それと話はまた変わるけどさ。ゴブバチョフって長いからゴビーとか短く呼びたいんだけど、どうかな?」


「だめだ。あだ名はこの村では絶対ダメなんだ」


「どうして?」


「それはな、俺の親の世代のころだ。好きな女に告白したら『ゴブ君が好きなの』て振られたヤツがいたんだ。それでゴブってあだ名の男に決闘を申し込んだ。女を諦めろってさ。男は決闘に勝ってもう一度告白しに行った。そしたら『そのゴブ君じゃないの!』って言われた。違うやつを探してまた決闘して勝った。そしてまた告白。だがそれも人違い。また違うゴブを探して、って結局別のゴブと決闘してる間にその女は当のゴブと付き合い始めちまったんだ。オチはその当のゴブってのは男の弟だったって話さ。それ以来面倒の種になるってんであだ名は禁止さ」


「それっておかしいぞ、決闘を申し込まれたヤツはなんで否定しなかったんだろ?無駄な決闘するなんて」


「簡単な話さ。決闘を申し込まれたほうは『あの子は俺に気があったのか!』って舞い上がっちまったのさ。男ならそんな勘違いしたくなるのもわかるよな」


「なるほどな。じゃああだ名は諦めよう。これまで通りゴブバチョフで。メンドクセー」


「本当にお前は失礼なやつだよな」こんなやつが教師志望だなんて世も末だな」


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