長老との会談
前回のあらすじ カニは食べても食われるな!
「長老、例の人族を連れてきたぞ」
長老の家も洞窟だった。ゴブバチョフの家より部屋数が多いようだ。共通しているのはジメジメしていることだが、ゴブリンは気にならないのだろうか?
「始めまして、客人よ。そこへ座ってくれ、水を出そう」
洞窟の奥では水が湧いているようだ。この辺はさすが長老、いい場所に住んでいる。
「遠慮なくいただきます。(ゴクッゴクッゴクッゴクッ・・・)プハァ、うまい!もう1杯!」
気付けば二日ぶりの真水だ。体中に染み渡るようだ。しかも冷たくておいしい。
「いやぁ、お茶じゃなくて水を出されたから超貧乏なじいさんかと思ったけど、こんなおいしい水だとは思わなかったよ。ここを聖地にしたいくらいおいしかった、ありがとう!」
「失礼なのか礼儀正しいのかよくわからないヤツだな。落ち着いたなら自己紹介を頼むぞ」
「俺は最近第二の人生を始めて、以前の名前を捨てたんだ。だからまだ名無しだ」
「何だと?名を名乗れないのか?もしかしてどこかで犯罪でも犯してきたのではないだろうな?」
「そんな訳ないだろ?ほらよく俺の顔を見てよ。悪人顔してないだろ?」
「まぁ一目で分かるような悪人顔はしていないな。ではお前は何をしにここまでやってきたんだ?」
「自分探しと貝を食べに来た。でもそれは両方解決しそうだ。それで早速お願いなのだが俺に学校を開かせて欲しいんだ」
「せっかちだな。その前にお前の名前の話だ。大事なことだぞ、それ。このままでは何と呼んでいいかもわからないだろう」
「分かった。ではまずはちゃんと理由を話そう。俺はある家でやりたくもない仕事をあてがわれ、反発して逃げてきたんだ。ケンカ別れしたから見つからないよう別の名前を名乗りたいんだ」
「ふむ、つまり奴隷だったが逃げてきたわけだな」「いや、ちが・・・」「分かった。辛かったんだろう。お前を受け入れてやろう。ただしその主人が探しにきてもめごとになるようだったらかくまわないぞ?」
「う、む、まぁいいか。そんな感じでお願いします」
「長老、こいつの名前のことならいい案があるんだ。実はもうこいつのことは村の中でうわさになってる。あだ名もすでについているんだ」
「ほう、なんという名前だ?」
「ゲドー」
「「ゲドー?」」
「ふざけんな!誰だそんな名前で呼び出した奴は!」
「みんな自然と呼び始めた。だってお前、俺の大事なミポリンの乳をいやらしい目で見たじゃないか!それでいて種族が違うからどうとかいってるし」
「ち、ちが・・・、あれは性的にではなくエロ的に興味があっただけで」
「性とエロの違いがわかんねえよ!ともかくお前は今日からゲドーだ!またはゲド」
「この件は決着したな。それでゲド。学校の件とやらはどういうことだったのだ?」




