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勇者?ムリムリ。魔王?まだまマシかな。それでいこう!  作者: ヒロトコ
第二章 ゴブリン改造計画
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思春期な彼女

前回のあらすじ 魔王いままでありがとう!君のことは忘れないよ、たぶん・・・

始めまして。私の名前はキャサリン。最近気になっているのはおしゃれ。でも私の住んでいる村は田舎だから飾れるものがあまりなくて残念なの。だからお花や木の実でかわいい色を探して首飾りを作るのが今の趣味。周りのみんなには早熟って言われるけどおしゃれは何歳でも大事だと思う。キレイになっておかないと突然カッコイイ男の子に出会った時に困るでしょ?前に村の長老が大人達に「段取り八割」って言ってるのを聞いたわ。私もその通りだと思う。出会う前にもう勝負は決まっているの!私は戦術重視恋愛主義者、罠でも網でも毒でも使えるものは何でも使う肉食系女子なのよ!


最近私の村に男の人がやってきました。娯楽がない田舎だからもうその話題で持ち切り!「カッコイイかな?」と品定めに私も見にいってきたの。まぁまぁだったわね。顔つきは結構イケてるわ。でも体つきがダメね。細すぎる。男だったらもっと筋肉をつけてお腹まわりももっと太くなくちゃ!力は強いみたいだけど腕周りも細すぎる。もっと貝を食べさせたら太くなるかしら?私好みに育てるっていうのもありかも。何せ私が子供を産める歳になるまでまだちょっとある。ふふ、私ったら策士ね!ちょっと夢が膨らんできたわ。さっそく明日、潮干狩りにいってみましょ。いつもよりいっぱい採るわよ!ワカメだって拾ってくるんだからね!


その男の人を私たちは「ゲド」って呼んでいるわ。理由はわからないけど。でも彼と話をした女の人はみんなそろって彼のことを「ゲド」って呼ぶの。だから今では大人も男の人も「ゲド」で統一。意味はよくわからないけど私も同じように呼ぶことにしたわ。だから呼び方は「ゲド(ニイ)」または「ゲドにいさん」。私は親しみを込めて読んであげてるのに彼ったら毎回苦々しい顔つきをするの。私の愛情を感じとれないのかしら?きっと愛のない家庭に育ったのね。私が教育してあげなくちゃ!母性がうずいて止められないわ!


彼は村の長老会に滞在を認められたみたい。ただそのお返しとして学校を開くことになったの。村の子供たちがこれから毎日通うんだって。もちろん漁や家の手伝いの合間によ。でもみんなで集まれるのってワクワクする。楽しみ!お友達がこんなにいっぱい集まるのってお祭り以来。「毎日がお祭りみたい」って彼にいったら「れっつぱーりーたいむ」っていっていた。意味は聞かなかったけどたぶん「汝に祝福あれ!」ってことなんだと思う。教養があるのね。見直したわ。これから毎日彼に知識を授けてもらえる。楽しみ!


彼を最初に見つけてきたのはミポリン姉さんとゴブバチョフ兄さん。浜辺で貝を採っていたので声をかけたみたい。相当お腹が空いていたのか食べた貝の殻が山のように積み上がっていたので気付いたらしい。私の背丈より高い貝塚ってすごいよね!でもそれでも絶滅しないんだから貝の多さにも驚き。私たちの漁にも影響はなかったわ。それどころかいままで以上に採れるようになったの。不思議。

彼を見つけて帰ってきた二人はその後になぜかいい感じになっていたの。何かあったのかしら?ゲド兄にすごく親切にしてるから彼が何かしたに違いない。気になるわ。でもおかげで彼も村にすんなりと溶け込んで仲良くしている。いいことだと思う。みんな仲良くが一番よね!


そんなわけでゲド兄は私たちの村に変化を運んできてくれました。灰色だった私の青春がどんどん色づいていくの!あぁ、なんて素敵な人生!なんで灰色だったかなんて聞かないでよね。思いつきで言っただけなんだから。空気読めるなら分かるわよね?ともかく楽しい毎日が送れるのは彼のおかげなの。どうしてもっていうなら彼にはお礼に私の初めてをあげて、い・い・わ。うふっ!





ちなみに私の生まれた村では男の子には「ゴブ」女の子には「リン」をつけるのが慣例なの。そう私の村はゴブリンの村。私はこのゴブリン村の村長の娘キャサリン(8才)なのよ。


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