3 トキメキました!
久しぶりに読み返して書ける気がして筆をとってみたり・・・やっぱりシリアスなしで溺愛オンリーの方が書きやすい気がする作者なのです(^_^;)
親友キャラくん・・・いや、木村くんはスマホを貸してくれた後もこちらを気づかってか積極的に、でもあまり踏み込みすぎないように当たり障りない世間話をしてくれた。
しかし・・・今の高校生で、こんな他人に気づかい出来るイケメンな性格の人間がいるのだろうか?やっぱり私が美少女になったのも関係あるのだろうけど、それにしてもリアルで通っていた高校生のクラスメイトの男子はもっとこう・・・良くも悪くも思春期の男子!って感じの美少女に話しかけられたらにへらしつつも、ブスには興味ありません!みたいな感じだったから尚更精神的に大人に見えるよね。
はぁ・・・やっぱりリアルよりも二次元だよね(確信)
「金剛さん?」
そんなことを考えていると、いつの間にか木村くんが私のことを少し心配そうに見ていた。おっと、いけないいけない。
「すみません。ちょっと考え事を」
「そうでしたか。僕が何か無神経なことを言ったのかと少し心配になりまして・・・」
「そんなことは!」
逆に気づかいされ過ぎてこちらが心配になっちゃうよ。そんなに他人に気を使って大丈夫なのかな?なんか凄く私の中の母性本能が揺すぶられるんだよね。なんていうか、知れば知るほどに木村くんを優しく抱き締めて頭を撫でたくなる衝動にかられる。
ペットとか可愛い動物を見たときの感情に近いけど、それとは違うなんというか・・・そう、この優しさを甘く溶かして私色に染めたくなる独占欲的なもの。
あれ?これってヤンデレに近いような・・・本来の私であれば、ここまで他人に執着しようとは思わないから、少なからずこの『金剛紗由理』というキャラの性格に引っ張られているのかもしれない。
「あの・・・木村くん」
「なんですか金剛さん?」
爽やかな笑み・・・あぁ、なんだろう。さっきから心臓の鼓動が早くなってる気がする。
「木村くんは・・・なんていうか凄く女の子にモテそうだよね」
「そ、そんなことないですよ。これまでの人生で女の子と交際経験もないくらいには草食系な男子ですから」
「そうなんですか?こんなに優しくてカッコいいのに・・・」
「えっ?」
ピタリと木村くんの動きが一瞬止まる。あれ?なんか変なこと言ったかな?
「木村くん?」
「あ、ご、ごめん・・・そんなことを言われたのは初めてで、その・・・お世辞でも金剛さんみたいな可愛い子にそんなこと言われると照れちゃって・・・」
「えへへ・・・」と照れくさそうに笑う木村くん。その姿に私はどきゅーん!とハートを撃ち抜かれた。
や、やっば・・・可愛いすぎる!え、何この可愛い生き物。男子ってこんなに可愛いものだっけ?
ニヤケそうになる顔を必死に抑えつけるけど・・・あぁ、ダメだ。木村くんを今すぐ抱き締めたい衝動にかられる。いけないとわかっていても今すぐに彼を自分のものにしたい気持ちになってしまうけど・・・我慢だ私。耐えろ・・・ここで簡単に近づければビッチ認定されかねない。
もっと親しくなってからライバルは排除して彼を確実に手に入れないといけない。
しっかし・・・ヤバいな。こんなに自分がチョロインだったなんて完全に想定外だよ。
そりゃ、リアルで交際経験ないからイケメンで私好みの性格の木村くんに惚れない理由はどこにもないけど・・・うん。やっぱり私のこの気持ちは多分言葉にすれば『恋』とか『愛』なんだろうなぁ・・・
それなら
「一緒のクラスになれるといいね」
今はもっと木村くんをことを知ってから彼を確実に手に入れよう。
問題は色々ありそうだ。ギャルゲーの主人公のこととかも気になるし、物語の強制力とかで私が主人公に惚れる可能性もなくはないだろうけど・・・うん、私は主人公との恋ではなく、主人公の親友である木村くんのルートを選んでみせる!
こうして、チョロいといえばチョロいが・・・私は主人公とのルートではなく、自ら親友エンドを選ぶ道へと決意を固めたのだった。