表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

王都へ

 ゴブリン襲撃から数日が経ち、街は落ち着きを取り戻しつつある。


 しかしながら、被害は大きい。

 街は至る所に傷跡を残し、死傷者も少なくはない。



 俺はおじさんの元に訪れている。


「おじさん、具合はどう?」


「おぉ、レオか。このとおりよ。当分宿は休みだな」


 おじさんは包帯の巻かれた腕を見せ、苦笑した。


「で、どうした? まさかおっさんの顔見にきた訳じゃないだろ?」


「……旅に出ようと思います。強くなって色んな人を守れるように」


 今回の件で、自分の無力さを思い知らされた。そして、ヴァンさんの強さに憧れた。

 だが、理由はこれだけではない。


 神の駒。

 ゴブリンキングが発した言葉。ずっと引っ掛かっている言葉。

 神の駒とは何か。神託を受けた者と受けとるのが普通だろうか。


 そう考えると、俺も神の駒である可能性がある。あれも神託と受け取れる……よな。


 もしかすると俺がいることにより迷惑が掛かるかもしれない。

 あくまで可能性の話ではあるが。


「そうか。寂しくなるな」


「はい。お世話になったお礼が言いたくて。

 今までありがとうございました」


 深々と頭を下げお礼を言うと、頭に衝撃を受ける。

 どうやら殴られたらしい。


「その余所余所しい態度はなんだ。

 俺は我が子のように思っているんだぞ? 行ってきますでいいんだよ」


「ッ!? はい。行ってきます」


 思いがけない言葉に思わず泣きそうになりながら、旅立ちの言葉を返した。


 帰り際に聞いたのだが、アンリも今回の件で思うことがあったらしく神殿に勤めることにしたらしい。


 アンリへの挨拶は……怒られそうなのでやめた。



──────────────────────────


 俺は今、王都に向かう乗り合い馬車に揺られている。

 王都へは二日程の道のりになる。


 道中は特にやることはないのでお楽しみの時間である。


 そう、ガチャの時間だ。

 現在の3200ポイント。十連ガチャ3回分である。


 これだけあれば大幅な強化が出来るはず。


……。

…………。

………………。


 おかしい。絶対におかしい。これ壊れたとかじゃないよね。


<穴堀>×2<泳ぎ>×2<大食い><調合>×3<細工>×3<口笛>×7<耕起><除草><収穫><宴会芸>


 二回回してこの結果。

 戦闘系スキル……ゼロ。


 とりあえず気になったことを叫ばしていただきます。


 大食いって、ただのマイナススキルじゃねーか!

 

 耕起、除草、収穫。

 これ、ただの畑仕事だよね?旅出たばかりなのに隠居しろってか!


 口笛に関してはLvMAXだよ!黄昏ながら口笛でも吹けってことですか!?



 ……この前まで運が良かっただけだったのだろうか。

 それともキャンペーンの時に引いたからなのか。要検証だ。


一回分は回さないでおこう。こう見えて、俺は我慢のできる男なのだ。



 暇潰しに、他の乗客に口笛と宴会芸を披露したら思ったよりも高評価でお捻りも貰えた。

 ……悪くないかも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ