プロローグ
この世には様々なスキルが存在する。武具を自在に操れるようになるもの、魔法と呼ばれる超常現象を起こすもの、はたまた商業や鍛冶などが上手くなるものなど数多くある。
そのスキルは15歳を迎える年に、各地にある神殿で行われている『祝福の儀』において神様より与えられる。
この儀式において、稀に神様から神託を授かりユニークスキルという勇者や大魔導師などの稀少なスキルを与えられる者がいた。
そんなユニークスキルを授かった者は、魔族との戦いにおいて活躍したり、世界の発展におおいに影響を与え英雄と讃えられた。
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王都より少し離れた街『ウルス』。
この村に住む、12歳を迎えたレオンは幼馴染みの女の子のアンリと共に祝福の儀に訪れていた。
特筆する程の特徴がない彼だが人当たりが良く、村での評判のいい少年である。幼い頃に両親を亡くしてしまったが、周りの助けにより無事に祝福の儀に挑むことが叶った。
獲得できるスキルによって今後の人生が大きく変わることもあり、レオンは期待に胸を膨らませていた。
そんな少年の期待に応えたかのように祝福の儀で神託を授かることになる。
神様に告げられたのは……
「君のスキルは『ガチャ』です」
彼のスキルは、とてもユニークだった。