相棒4
トレーニングウェアのまま 2階の食堂へ向かう。平馬が言った。
「 訓練が残ってる。飯は軽くしとけ」
「 はい」
「 わかってんがな」
蓮と千堂はそれぞれの口調で返事する。三人は食堂に入っている モスバーガーで照り焼きバーガーとサラダ、好みのドリンクのセットをたのむ。たわいない流行りの歌手の話をして食事を終えた。案外、世間話の方がリラックスできるものだった。
地下4階に戻り訓練再開する。平馬は二人に向かい声をかける。
「 気合を入れろ。 疲れてるだろうがな」
四度魔方陣から怪物が現れる。ファイアドラゴン、炎の竜だ。蓮とは相性最悪である。千堂と違い炎で自分が回複する訳ではない、耐性が桁外れなだけなのだ。しかし、ドラゴンは炎で自己回復する。
「 どうしよう」
「雷撃と肉弾戦で削るしかないやないか。その刀は飾りやん?」
いきなり竜が炎を吐いた。凄まじい勢いだ、爆龍波に匹敵する。
「カバーリング!」
蓮が一身に炎を引き受ける。千堂が雷撃を放ち援護を試みた。雷はドラゴンに大して痛よう与えてない。ファイアブレスが再び襲う。このままならじり貧だと、二人はブレスを避けて躍りかかった。蓮も千堂も武器に冷気を込めて切りつけ、殴る。これは効果があった。炎竜は暴れる。ブレスに注意して削ってゆく。吐く炎が半分の勢いになった。
「 慣れない氷属性使ってスタミナ勝負じゃ勝てない」
「じゃ どないすんねん」
「最大出力の雷撃を頼む」
そう言って十六夜をドラゴンに突き刺した。蓮に何か考えがあると信じて千堂が雷撃を繰りだす。蓮は炎ではなく熱だけを加える。余りの高温と雷撃が炎竜をプラズマ化した。ドラゴンは形を失って四散する。
「 予想通り プラズマになったら形保てなかったよ」
「 そういうもんなんや」
「原子の運動量が段違いだからね」
「 おしゃべりはそこまでだ。次」
平馬の注意がとぶ。
ストーンゴーレムが襲って来た。豪腕が振り落とされる。二人は飛びすさび左右に散る。燃えないし雷も通さない。千堂はまたしても厄介な相手だと思って。
「又削るしかないんやろか」
それを受けて蓮は、
「 大丈夫、すぐ片がつく」
断言した。
爆龍波の三連斉射でゴーレムが真っ赤に染まる。刀を水溜まりに浸して。
「津波!雷撃飛ばして」
水属性の特技、津波で焼けた石の身体が水浸しになり、急速に冷やされる。熱膨張が収縮してヒビが無数に走る。雷が直撃してゴーレムは砕け散る。
「 やったね」
「蓮はホンマ頭ええなあ」
千堂が感嘆する。それに対し蓮は。
「 学校の授業の応用だよ。 本当、学校の勉強って為になるな」
平馬は冷静にこう言った。
「蓮が戦術考えて二人で実行するスタイルが上手くはまったな。連携訓練は終了だ。明日はルシファーから初仕事の説明がある。学校休んでくれ」




