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夕闇の 世紀  作者: 愛媛のふーさん
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相棒2

 試験をクリアした蓮に平馬が告げる。

「 着替えろ。ルシファーとこ行くぞ」

相棒との初顔合わせが いよいよあるのだなと蓮は思って落ち着かない。

「 僕のバデイってどんな人ですか?」

「 あとのお楽しみ。ま、先走るなよ」

平馬がいなす。しかし、組むって事が生死を共にする事は今迄の訓練と安全装置が武器である以上、容易に想像できる。初仕事と合わせて蓮には気になっていた。平馬は後ろ暗い任務じゃあないと言ったが、異能の力を使う任務とは一体どんなものだろうか。

 一旦、三階で降りる。平馬は更衣室の前で待って居てくれた。再びエレベーターで最上階へ向かう。あの事件の日に会った秘書がオーナー室のドアを開く。美島恋華みしまれんかという名で彼女も異能者だと、平馬が訓練の合間の休憩の時何時だったか教えてくれた。

「山口様と緋村様がお越しです」

恋華がルシファーに報告する。ルシファーは読んでいた書類から目を上げると。

「 そうですか。待ってました」

「山口、緋村入ります」

まるで軍人の様に平馬が告げて入室だ。普段との口調のギャップに些か蓮は戸惑う。当たり前の様にルシファーが頷くところを見るとナイツの本当の顔はこっちらしい。

「訓練期間2ヶ月。優秀ですね。緋村君のコードネームは〈炎聖〉にしましょう」

ルシファーは穏やかに言う。そうなら平さんのコードネームは?と、思っていたら。

「俺は〈グラビティキング〉だ」

平馬が心読んだみたいに小声で囁く。それに何の感心も示さずルシファーは恋華に命じる。

「〈雷帝〉を此処へ」

雷帝という以上〈雷〉属性の力の持ち主なんだろう。5分後、蓮と変わらない年代の制服姿の少年が入ってきた。身長は蓮と同じく170cm前後、細身の体つきはボクサーをおもわせた。

「彼が雷帝こと千堂円せんどうまどか。君のバデイです。千堂君、自己紹介してください」

ルシファーの紹介に、まどかって女みたいだとくすりと笑みがこぼれた途端。

「 何を笑っとんねん。どうせ円て名前やろ。わいかて気に入らんねん。ほやから、千堂て呼んでや」

いきなり関西弁でまくし立てられてびっくりした。だが、笑った非礼を詫びなければと、

「 ごめん そんなつもりじゃ。僕は緋村蓮。蓮って呼んで下さい。属性は炎。多分ナイツじゃあ君が先輩だ、よろしく」

「あぁ、自分は雷や。ナイツは2年になる。おたくまだ、2ヶ月らしいな。それでもう初仕事かいな、大したもんや。わいは半年かかった」

千堂はこだわらない性格らしく蓮を誉めた。続けざまに言う。

「蓮、同じ年やしバデイは対等な相棒やから先輩後輩は、無しや。一通り特技訓練済ましても、連携は別やで相性もんやからな。取り敢えず初仕事前に、平さんに見てもらって連携訓練すんで」

「うん。 わかった」

蓮は答えながら平馬も一緒と聞いて心強く思った。ナイツに放り込まれて一番馴染んでいるのは平馬だ。ど直球な相棒とのクッション役には最適なはずだ。

 連携訓練というからにはお互いの長所を伸ばし短所を補う様に成らなければならないはずだ。今迄よりハードだろう。蓮が気を引き締めていると。

「後は平さん、 お任せします」

ルシファーはそう告げるだけで退室をも促した。

「はっ、承りました」

平馬はルシファーに答えてから。

「 チーム結成を記念して食事と行こうや。相も変わらす食堂で悪いがよ。機密が保てるからな」

そう言って二人にウインクしてみせた。

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