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夕闇の 世紀  作者: 愛媛のふーさん
2/25

発現2

 ルシファーとの会話はそこで、有無を言わさず打ち切られた。秘書に促されオーナー室を出ると、日に焼けた がっしりとした青年が立っている。

「 俺は山口平馬。平さんと呼んでくれ。君の 指導教官だ」

「 指導って何すれば良いんですか?」

「 とりあえず それは後だ。とりあえず安全装置が先だ。下についてこいよ。検査をする」

「 検査ってどんな?」

「なに 30秒も立ってりゃ終わるさ。あっと言う間に楽チンなもんよ」

そう言って平馬はすたすたと エレベーターに乗ってしまった。慌てて後について行くしかない。何階か解らないが、降りると白衣きた研究者ぽい 人々が歩き回っていた。平馬が 手招きをする?

 そこは 3メートル 4方の部屋だった。 中央の台に立たされる。天井から水平に レーザーが照射されて頭から爪先まで スキャンが完了した。

平馬が聞く。

「 武器は何がいい? なんでもござれ選どり観どりだぜ。」

蓮は小学生の頃、剣道を習っていたのを思い出し。つい、思わず。

「 刀を」

と、答えてしまった。

「何で 武器なんですか?安全装置じゃないんですか!」

平馬は諭すみたいに。

「 武器に安全装置の機能持たすのが、ナイツの流儀なのさ。これが」

「 はあ」

蓮の気のない返事が研究室に響く。

「刀だと 1週間かかる。其までなるべく人間と係わらないようにしとけ。それから、お前の属性は〈炎〉だ。火の気には気を付けろ」

「 属性って ゲームに出てくるアレですか」

「そう謂う事。家まで送って行ってやるから、その前にスマホの番号とアドレス申請しろ。一階の受付だ」

こうして蓮は、なにが何なんだか解らないまま、〈ナイツ〉と言う秘密結社に所属させられた。只、蓮の脳裏にはそんな事より、自分が人を殺したと指摘された事の方が、大きかった。

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