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夕闇の 世紀  作者: 愛媛のふーさん
19/25

トカゲ4

 蓮は定時連絡で本部に報告を入れる。トカゲがアジトの痕跡を発見するも、空振りだった事と、呪文がラジカセで流されてた事を聞いた。前後を考え合わせて三人組は、極最近迄アジトに居て場所を移したと思われる。トカゲのスマホのアドレスを訊き連絡した。

「炎聖です。トカゲさんですか?」

「はい。直接なんてどうしました?」

本部を経由せずにやりとりするのは稀だ。意外そうな遼に蓮は質問する。

「発見したアジトの他は怪しい場所在りました?」

「今のところ在りません」

「仕掛けをして僕達を襲ってきたというのは、こっちの捜査を警戒してるからですよね」

何を当たり前の事をと思うが遼は答えた。

「そうですね。かなり神経質な位」

「なら、足がつかない場所に潜ったと思うんです。こちらから仕掛けませんか?」

とんでもない提案を蓮はする。

「仕掛けるってどうやって?」


 どこかの大きな建物の地下に三人組は居た。リーダー格の痩せた男がシャーマンに向かい怒鳴る。

「もう時間が無いぞ!一日半で戴冠式だ。本国の方の工作もおかしな位失敗するがまだ望みはある。こっちが失敗じゃ意味がない」

「呪いは準備がないと出来ないよ。アジト移さなければ良かったね」

「あのままなら、捕まってたかもしれん。不動産屋に金掴ませてなかったら、危なかった」

「 ここなら大丈夫なのか?」

「ああ」

確信を込めてリーダーは答える。しかし、苛ついて言葉をつぐ。

「早くしろ!!ジョン王子が第1位、マリア王女が第2位、継承権が上の二人とも消えないとポール様は王位に着けぬ」

すると黙っていた筋肉質の軍人風な男が、

「俺が狙撃する。もう手段は選んでられない」

堪りかねた様に言う。痩せた男は感激して筋肉質の手を掴み。

「 やってくれるか!」

「ああ、勿論」

それを聞いたシャーマンは顔色こそ変えなかったが、不機嫌な声で、

「一日待ってくれたら、半日で片付けるね。それに金は返さないよ。狙撃が成功しても」

嫌味たっぷりに言う。

「構わん。そっちは保険だ。金など、ポール様が王位に着いた暁には、何倍にもなって帰ってくる」

リーダーは自己陶酔していて気にしてない。

「 それよりカラスは未だ居るのか?」

「 いるよ。監視位なら準備無しでも可能ね」

得意げにシャーマンは胸を反らす。

「協力しろ。狙撃ポイント探す」

「 別料金ね。 500ドルよ」

リーダーは100$札5枚渡す。シャーマンは札を数えてしまう。そして注文を出した。

「祭壇の準備急がせるね。その方が確実よ」

「 わかった」

痩せたリーダーはシャーマンに短く返事すると、軍人風に向かい。

「 頼んだぞ」

そう懇願する。

「任せろ」

筋肉質は力を込めて受け合う。

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