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夕闇の 世紀  作者: 愛媛のふーさん
10/25

相棒5

 蓮は祖母に向かい。

「ばあちゃん。バイト代貯まったから一人旅したいんだ。何処に行くかはわからない」

そう告げる。すると祖母は。

「 いいよ、行っておいて。学校上手くいかないんでしょう。 気分転換しておいで」

まさか祖母にイジメが見抜かれていたとは思ってなかった。

「 ありがとう。ばあちゃん。明日の朝出発するね」

勿論、一人旅は方便である。明日からナイツの初仕事だからだ。任務にどれだけ日数かかるかわからない。当てのない一人旅が家をあける一番良い言い訳だった。

 次の日、千堂がスタバで先にソイラテ飲みながら待っている。ジーンズにウエスタンシャツというスタイルだ。蓮も似たような格好である。

「 きたな。待ったで。10分やけど」

千堂が気さくに声をかける。

「僕も飲もうかな」

キャラメルマキアートをたのんだ。二人は無言で飲み。飲み殻をダストコーナーに捨てると。

「 ほないこか」

「 うん。任務って一体なんだろ」

「 一番多いのは ボディガードやし、人を殺める事はないな」

千堂は緊張する蓮を安心させるように言う。受付でオーナー室の秘書、美島恋華に連絡してもらい、エレベーターに乗る。最上階でルシファーが待っていた。

「任務をお伝えします。ある人物の護衛です。しかし、危険度は特Aクラス」

ルシファーが事務的に告げる。

「 民間のボディーガードが、4人就いてましたが全員病院送りにされました。得体の知れない怪物に襲われたそうです」

不気味な事をさらりと言うと、恋華に命じる。

「詳しい資料をここへ」

恋華が二人に書類を渡すついでに聞いた。

「お飲み物持ってきます。紅茶でよろしいでしょうか?」

ルシファーは紅茶党である。

「 よろしいで」

「 お願いします」

二人は短く答えた。三人分運ばれてくる。ルシファーはコニャック、蓮はミルク、千堂はレモンと三人三様に加えた。

レポートに目を通してすぐ千堂が声を上げる。

「 なんやて!」

ルシファーはおかしそうに笑っていた。しかし、真面目な顔と口調になり。

「 3日間。 3日間守りきれば 我々の勝ちです」

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